2021 Fiscal Year Research-status Report
ヨーロッパにおけるボトムアップ型農村開発の領域性とガバナンスに関する地理学的研究
Project/Area Number |
18K01152
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
飯嶋 曜子 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (20453433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶田 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40336251)
山本 充 専修大学, 文学部, 教授 (60230588)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヨーロッパ / ガバナンス / ボトムアップ型農村開発 / LEADER / 領域性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヨーロッパのボトムアップ型農村開発のガバナンスと領域性に着目して分析し、その意義を考察しようとするものである。 事例として、周辺部の農山村としてこれまで多様な政策の対象となってきたアルプス地域を取り上げる。その理由として、アルプスでは、EU、国、州、県、市町村、さらにはアルプス広域地域等の多層的な領域において政策が遂行されていることが挙げられる。さらに、アルプス地域ではEUのボトムアップ型農村開発であるLEADER事業も積極的に実施されているからである。 2021年度は現地調査を予定していたものの、コロナ禍が収束せず安全かつ円滑に調査を実施することが不可能であったため、実施を断念せざるを得なかった。その対応策として、2022年度に改めて調査を実施することを想定して、主にインターネット上の新聞記事や公的機関の情報などから現地の最新情報の収集に努めた。さらに、それらを踏まえて翌年度の調査計画案を検討した。 一方でボトムアップ型農村開発のガバナンスとその領域性についての制度等に関する整理や分析、および理論的検討については各自が進めてきた。EUの共通農業政策(CAP)や、国、州、市町村等による農村開発政策、LEADER事業などについて、報告書や文献等による情報収集や分析を進めるとともに、それらに関連する理論の整理を行った。 さらに、これまで実施してきた現地調査で得られた情報やデータを整理し、その分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、①資料の収集と分析、②現地調査を予定していた。 ①については、各自が文献や統計資料の収集と分析を分担して行い、その内容を共有した。飯嶋は、EUおよび国や州の農村開発政策やLEADER-CLLD事業およびINTERREG事業に関する基礎的資料の収集と整理を行った。山本は、EUの地域政策の中でも,都市の農村を包含する大都市圏という地域スケールを取り上げ,EUレベル,国家レベル,そしてその下位レベルにおける政策の実施状況を,モビリティ確保・向上を中心に把握し,その政策効果についても評価することを試みた.梶田は、調査地域に関する統計資料および地理データの収集と整理作業をすすめるとともに、LEADER/CLLDの制度的な側面に関する内容の検討を進めた。 ②については、コロナ禍により渡航が困難になったため、2021年度中に計画していた現地調査を断念せざるを得なくなった。次年度に調査を延期したため、本年度はその準備として、主にインターネット上の新聞記事や公的機関の情報などから現地の情報収集に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は各自がこれまでに収集した資料やデータの整理、分析を引き続き行うとともに、さらなる情報の収集に努める。それらを研究会で共有し、そのうえで研究全体の議論を進め、まとめていく。 なお、現地調査については、コロナ情勢の動向を慎重に考慮しながら、その実施可能性について検討し必要な対応をとる。2022年度も現地調査の実施が困難と判断される場合には、これまでの成果を整理し到達点を明らかにしたうえで、改めて研究の遂行のために必要な課題や方法について研究グループ全体で検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は現地での調査を予定していたものの、依然として新型コロナ感染症の猛威が大きく、渡航や現地調査が困難な情勢が続いたため、その実施を断念せざるを得なかった。そのため、現地調査のために想定していた旅費等が使用できなかった。 翌年度は、2021年度の分も合わせて現地調査を実施したいと計画している。しかし、コロナ情勢を慎重に見極め、臨機応変に安全に研究を遂行できるように適切な準備を行っていく。
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