2018 Fiscal Year Research-status Report
国会の法案審議における「附帯決議」をめぐる政治過程の研究
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18K01411
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
遠藤 幹夫 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (30812515)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 附帯決議 / 政治学 / 行政学 / 立法過程論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第一工程として、①附帯決議の数量的な時系列変化、②附帯決議の内容の時系列変化、③政府提出法案のうち過去の法案に附された附帯決議が検討のトリガーとなっている法案の時系列変化、等を整理することとしており、平成30年度(研究第1年度)は、こうした基礎的なデータの収集・整理に主に注力した。 具体的には、個人事業者のシステムエンジニアに発注し、共同で試行錯誤しながら、国立国会図書館により公開されている国会会議録検索システムを中心に複数のデータベースを組み合わせ、附帯決議データを抽出するソフト、及び当該ソフトを活用したデータベースの構築に向けた作業を行った(平成30年度の作業は「β版」の完成までであり、令和元年度(研究第2年度)には引き続き、データベースの検証、人手を使った手作業による補完、データ出力ソフトの開発を実施予定。) それと併せて、研究の方向性を検証するため、省庁の国会担当職員及び幾つかの法案の立案担当職員、衆議院事務局の職員、国立国会図書館のスタッフ等へのヒアリングを行った。 また、各種文献資料の収集を行うとともに、先行研究(本研究に直接的な先行研究は存在しないが、近接分野での先行研究)を実施した研究者を探し出し、ヒアリングを行った。 上記の各ヒアリングのうち、ヒアリング内容の正確な保存が必要なものについては、録音と速記業者による文字起こしを実施した。 研究第2年度(令和元年度)は、上記のとおり、引き続き基礎的データの収集・整理を実施し、その完成を目指すとともに、第二工程であるケーススタディ(過去の附帯決議をトリガーの1つとして検討されたことが国会会議録から判明している法案の幾つかを事例として取り上げ、①当該附帯決議の案文作成・調整過程、②当該附帯決議が行われた後の、当該項目を受けた所管官庁における次の法律案の検討過程等を整理)に入っていく予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2工程(第一工程・第二工程)による3か年計画であるところ、研究第1年度である平成30年度において、第一工程の峠を越し、研究第2年度(令和元年度)に第二工程に入れる目鼻を付けることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究第2年度(令和元年度)には、引き続き第一工程である基礎的データの収集・整理を実施し、その完成を目指すとともに、第二工程であるケーススタディに入っていく予定。 第一工程関係:引き続き、個人事業者のシステムエンジニアに発注し、データベースの検証・自動補正ソフト、データ出力ソフトの開発を実施するとともに、人手を使った抽出データの修正作業を実施する予定。 また、引き続き、文献資料の収集や、省庁・国会事務局スタッフへのヒアリングを行い、研究の足場固めをしていく。 第二工程関係:年度途中からは、幾つかの個別事例のケーススタディに入っていく。そのため、事例とする法案に関する、省庁の法案立案担当職員、政党事務局や議員のスタッフへのヒアリング等を実施する。 こうした作業を加速するとともに、研究の取りまとめを開始し、第3年度(令和2年度)における本研究の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
附帯決議抽出ソフトの開発及びデータベースの整理・構築について、当初、研究第1年度(平成30年度)の予算に一括計上していたが、ソフト開発・データベース構築を複数段階にしたため(平成30年度は「β版」の開発までを実施)、研究第2年度(令和元年度)の契約として支出する分が発生している。
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