2018 Fiscal Year Research-status Report
Economic impact of ICT innovation and cross-border personal networks
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18K01572
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠崎 彰彦 九州大学, 経済学研究院, 教授 (00315045)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報通信技術(ICT) / モビリティ / 人材の国際移動 / ネットワーク理論 / Leapfrogging |
Outline of Annual Research Achievements |
・初年度にあたる平成30年度は、本研究に必要となる情報処理機器、統計処理ソフト、各種統計資料類の整備を行った。これに並行して、国際機関の統計類の渉猟・収集ならびに理論的枠組みに関する先行研究の渉猟を行い、それらに基づく考察を深めてモデルの特定化に必要な分析枠組みの再構成と実証分析に用いるデータセットの整備に重点的に取り組んだ。 ・具体的には、ICTの普及状況、人材の国際移動、GDP、人口、サービス貿易、識字率、就業者数などに関する統計類を整備・延長するとともに、グローバルな情報化の進展度合いと国境を越えた人材移動等を俯瞰するデータセットを構築し、データの加工・処理を経てデータ観察を行った。 ・また、ネットワーク理論や経済発展に関する国際経済学等の理論を渉猟するとともに、本研究の実証分析に向けた理論的枠組みを再検討し、先行研究における本研究の位置づけと意義を明確化した。 ・上記を踏まえて、理論的枠組みと分析対象の前半期に関する実証分析を行い、その結果をディスカッションペーパーおよび査読付きの英語論文等で公表した。 ・本研究領域は、変化のスピードが速いこともあり、最新動向について常に把握できるよう、関連資料の収集のみならず、多くの関係者との討論や意見交換に鋭意取り組んだ。特に、上海で開催された国際シンポジウムでは暫定的研究成果の一部を織り込んだ報告を行い、欧米アジアの研究者らとの討論を通じて、今後の研究につながる有益なコメントを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・情報処理機器の整備、データベースの整備、関連資料の収集、理論的枠組みの考察、英語による査読付き論文への投稿等、大学のキャンパス移転に伴う時間制約はあったものの、当初計画通りに作業は進捗し、研究の進捗とさらなる成果に向けて、討論者や査読者から有益なコメントとアドバイスを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
・今後は、構築したデータベースと理論的枠組みを用いて実証分析を本格化し、情報技術革新と人材の国際移動がグローバル経済に及ぼす影響とその経路の解明を行う。特に実証分析では、リーマンショックなど2000年代に後半のグローバルな経済環境の変化を視野に入れ、パネルデータ解析やグラフィカルモデリング等の手法を採用した多面的なモデル分析を実施する。 ・上記で得られた暫定的な分析結果をもとに、国内・海外の研究者、政策当局者、企業家など国境を越えた経済活動の実態面に詳しい関係者の意見を聴取し、分析結果の解釈と追加的に取り組むべき課題の洗い出し等を行う。 ・その中で、モデルの特定化や推定など高度なプロセスについては、研究協力者の助言を得ると同時に、資料の収集とデータ整備等作業の一部は、大学院生等を臨時的に雇うなどして効率的で独創的な研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
・2019年2月に予定していた台湾研究院との国際研究交流が日程調整の関係で翌年度に繰り越されたため、これに伴う英文校閲等の人件費・謝金とあわせて次年度に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)