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2019 Fiscal Year Research-status Report

公営賭博市場における、市場の厚みと効率性の関係

Research Project

Project/Area Number 18K01686
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

芦谷 政浩  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (10304057)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords公営賭博市場
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、オルタナティブ投資市場の中でも特に公営賭博市場に着目して、「市場の厚み」と効率性の関係を分析している。本年度は昨年度に引き続いて、地方公営競馬のデータ入手とデータ加工を進めた。
また、予備的な分析として、「園田競馬・姫路競馬における裁定取引の実行可能性」を執筆した。2012年4月30日から6月28日までの2か月間に園田競馬で行われた出走頭数が12頭以下のレース(出走取消・競走除外のあった13レースを除く合計292レース)と2012年7月3日から7月26日までの1か月間に姫路競馬で行われた出走頭数が12頭以下のレース(出走取消・競走除外のあった10レースを除く合計121レース)を分析したところ、これらのレースでは裁定取引が可能となるほどの非効率性は観察されなかった。園田競馬・姫路競馬の1日当たり平均馬券売上額は1億9836万円であり、浦和競馬の5億9849万円や、6億円以上の大井競馬・川崎競馬・船橋競馬と比べると「市場の厚み」は薄い。それにもかかわらず、ある程度の効率性が達成されているということは、JASDAQや札幌・名古屋・福岡証券取引所などの売買代金が小さい証券取引所の効率性に関しても、重要な含意を持つと言える。なお、上記論文は『国民経済雑誌』への掲載が決定している。
さらに、2011年9月30日から12月23日に開催された荒尾競馬160レースのデータを用いて予備分析を行った。その結果、売得金額が大きいレース・出走頭数が少ないレース・メインレースにおいて、同じ払戻条件・払戻金額となる異なる種類の馬券の間での価格差が小さいことが分かった。その一方で、レースの競争順(出走時刻)、場外馬券売場の売上シェアは、価格差に影響を及ぼしていなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「研究実績の概要」で述べたように、平均馬券売上額があまり大きくない競馬場において、ある程度の効率性が確保されていることを発見した。この知見は、JASDAQや札幌・名古屋・福岡証券取引所などの、売買代金が小さい証券取引所の効率性に関しても、重要な含意を持つ。この成果は学術論文の形でまとめてあり、『国民経済雑誌』への掲載が決定している。
さらに、荒尾競馬のデータを用いた予備分析では、売得金額が大きいレースほど、馬券市場の効率性が高いことを発見した。これは直観的にも納得のいく結果であり、学術論文の形で報告する準備を進めているところである。

Strategy for Future Research Activity

「研究実績の概要」で述べたように、順調に研究の成果が得られていて、かつ論文の刊行も決定している。本年度以降もさらに分析を進めて、「市場の厚み」と効率性の関係をより深く明らかにしていく所存である。

Causes of Carryover

次年度使用額が1,374円生じているが、金額はそれほど大きくないので、本年度も計画的な支出を行う予定である。

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Published: 2021-01-27  

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