2019 Fiscal Year Research-status Report
意匠権情報を用いたデザイン活動の企業パフォーマンスへの影響分析
Project/Area Number |
18K01835
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
勝本 雅和 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (90272674)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 意匠分析 / デザイン経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的にイノベーションの必要性が高まる中で、一部の企業によるデザイン活動の活用による成功がデザイン活動への関心を急速に高めている。しかしながら、デザイン活動の範囲が確定しにくいこと、それに伴ってその成果だけではなく、投入に関しても定量化が困難であることから、デザインの経済効果の測定法は一般化できるほどには十分に開発されてはいない。そこで本研究では意匠権の書誌データを用いて、企業内におけるデザイン活動への投入状況を明らかにするとともに、それが企業のデザイン成果および企業パフォーマンスへの効果について実証的かつ定量的に分析することにより、知的生産に関する実践的知見を明らかにすることを目的とする。 令和元年度においては、平成30年度において得られた上場企業のデザイン活動に関するデータを企業の財務パフォーマンスと照合を行った。これまでの研究で既にデザイン活動の投入状況および成果と企業の財務パフォーマンスの関係については、一定の成果を得ていたが、今回はこの分析手法に加え、生産関数を用いた分析手法を取り入れ、平成30年度に構築した意匠権の書誌情報に基づくデータに対して適用することで、デザイン活動が企業パフォーマンスに与えている影響を明らかにした。その結果、デザイン活動の企業パフォーマンスへの影響を分析するにあたっては、デザイン活動の量だけではなく、質や構造を考慮する指標を導入することでより正確な分析が行えることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度においては、平成30年度において得られた上場企業のデザイン活動に関するデータに加え、その際に積み残したデータの拡張作業を行った上で、それらと企業の財務パフォーマンスと照合を行った。これまでの研究で既にデザイン活動の投入状況および成果と企業の財務パフォーマンスの関係については、一定の成果を得ていたが、今回はこの分析手法に加え、生産関数を用いた分析手法を取り入れ、平成30年度に構築した意匠権の書誌情報に基づくデータに対して適用することで、デザイン活動が企業パフォーマンスに与えている影響を明らかにした。その結果、デザイン活動の企業パフォーマンスへの影響を分析するにあたっては、デザイン活動の量だけではなく、質や構造を考慮する指標を導入することでより正確な分析が行えることが示唆された。 計画では、本年度に得られた分析結果について、デザイン関係の専門家にインタビューを行うとともに学会での発表などを通じて、実態との整合性を確認することとなっていたが、新型コロナの影響により先方との予定が合わなかったこと、海外渡航が制限されたことなどにより、次年度に繰り延べることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度においては上場企業・非上場企業についてデザイン活動に関するデータを企業の財務パフォーマンスと照合するとともに、これまでの分析によって得られた上場企業・非上場企業の分析中に含まれる外部デザイナー(デザイン事務所)の貢献度について分析を行う。その際、外部デザイナーに関する情報については経済産業省が主催しているデザイナーデータベースなどのインターネット上の情報源を利用することを考えているが、個人の場合など情報が得られない可能性も考えられる。その際には電話帳情報などを利用して直接確認することも必要になる可能性がある。また外部デザイナーによるデザイン活動について、共同創作効果を含める形での対象企業の経済効果への貢献分を測定する方法を開発し、それを上で作成したデータに適用する。 また昨年度において積み残したデザイン関係の専門家にインタビューを行うことによって、その実態との整合性、有用性を確認する。
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Causes of Carryover |
計画では、本年度に得られた分析結果について、デザイン関係の専門家にインタビューを行うとともに学会での発表などを通じて、実態との整合性を確認することとなっていたが、新型コロナの影響により先方との予定が合わなかったこと、海外渡航が制限されたことなどにより、次年度に繰り延べることとした。
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Research Products
(1 results)