2018 Fiscal Year Research-status Report
The Impact of Identity and Empathy on Consumer Behavior in Digital Media
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18K01901
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
玉置 了 近畿大学, 経営学部, 准教授 (40434849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 靖永 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (70240447)
堀川 宣和 星城大学, 経営学部, 講師 (20761604)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アイデンティティ / SNS / 機械学習 / 共感 / ソーシャルメディア / ディープラーニング / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる本年度は,(1)データ収集方法の検討,(2)収集したデータの分析方法の検討,(3)分析に対する理論的枠組みの検討を行った。(1)データの収集に関してはTwitterを対象として同社が提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を用いてツイートをダウンロードするプログラムの開発及び地域・観光,倫理的消費に関するデータの収集に着手した。(2)データの分析方法については,本研究ではテキストマイニングによる分析を行う。まず,企業や団体の宣伝や広告が多く含まれるツイートから消費者のツイートを抽出する方法の検討を行った。さらに年度後半には機械学習や深層学習を用いたツイート内容の把握,分類を行うための技術的検討を行った。トピックモデルと呼ばれる機械学習を用いたツイート内容の分類・比較,深層学習(ディープラーニング)によるツイートの分類を試験的に行った。またこれらの過程で得られたテキストマイニングに関する知見をもとに生活協同組合と小売業のミッション・ビジョンの比較研究も実施し成果としてまとめた。本研究はSNS(Social Networking Service)における消費者の行動を(3)共感及びアイデンティティの視点から分析を行う。本年度は,インターネットの登場以来盛んに研究されててきたネット上での消費者のアイデンティティ形成や自己表現に関する研究の再検討と最新の動向を研究した。また,共感についてはSNSとの関係を検討した既存研究は不十分であるが,マーケティングや消費との関係からの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集に関しては,Twitterからのデータ収集を試みたが,Twitter社の提供するインターフェイスに制限があり,検索キーワードによる収集は,収集時から約7日程度のツイートしか遡ることができず,一定期間のツイートを得るためには日数を要する。そのため,新たなデータの収集に関しては順調に進んでいるとはいえない。しかし研究開始以前より収集を続けていたデータを所有していたため,それらを活用して本年度は分析を行った。分析方法については,機械学習・ディープラーニングなど初めて用いる手法による分析を行うため,これらの手法に関する修得から着手せねばならなかったが,これらに関しては試験的に収集したデータの元で良好な結果が得られており概ね順調に進んでいると考えている。理論的研究に関しては,アイデンティティ,自己表現の視点からSNSをはじめとするソーシャルメディア上の行動の最新動向をフォローした。一方で,共感や消費者の関係性に関する研究のレビューは以後の課題となっている。研究成果の公表については,テーマであるデジタルメディアにおける消費者行動に関わる研究成果の公表には至らなかった。しかし,データ収集や分析の過程や理論的研究の過程で得た知見をもとにいくつかの研究成果を公表することはできた。今度は研究課題に直接関わる研究成果の公表を早急に行いたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は,分析を行うために充分な量のデータ収集を完了した段階である。本年度は,収集したデータをもとに,(1)特定のテーマに関するツイートの抽出・分類,(2)ツイートの内容の違いによるユーザーの行動の違いを分析する。(1)ツイートの抽出については,本年度収集した地域・観光,倫理的消費に関するツイートを機械学習及び深層学習を用いた分類を行う。それにより今日のSNSの特徴であるタイムライン型のコミュニケーションから消費者が発信した情報や特定の消費に関する情報を抽出する技術の開発を行う。次に,その結果に基づき(2)ツイート内容とユーザーの行動の関係を分析する。ユーザーの行動としては,読み手の反応としてその情報の拡散につながるリツイート,発信者の発信の動機付けとなるいいね!,情報交換を活性化する返信に着目し,いかなる内容のツイートがこれらの反応を促すのかということを解明する。また,近年では画像や動画を用いた動画が急速に普及しつつある。そのため,画像に存在する物体を深層学習により特定する画像認識・物体認識に関する研究に着手する。その上で,ツイート内容と画像内容の関係,リツイートやいいね,返信を促す画像内容を解明する。また,今日のSNSにおける消費者間のコミュニケーションの特徴であるタイムライン型のコミュニケーション,リツイートやいいね,画像の使用などの言葉を使用しないコミュニケーションの特徴それ自体を整理したうえで,これまでのネット上でのコミュニケーションとの違いを概念的に検討する。
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Research Products
(6 results)