2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of causal analysis based on isomorphism between "adequate causation" and statistical causal inference
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18K01991
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 俊樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10221285)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 適合的因果構成 / 比較社会学 / 統計的因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は4つある。 (a) Max Weberが導入した「適合的因果構成」の手続きを、最新の因果分析の計量手法である統計的因果推論の枠組みを用いて整理し、一貫的に体系化する。(b) (a)をふまえて、従来、もっぱら文化科学や歴史学との関連が注目されてきたWeberの社会学方法論の科学論的・思想的な文脈の広がりを明らかにして、その現代的意義を示す。(c) (a)(b)をふまえて、社会学の従来の方法論と統計的因果推論などの最新の分析手法との連続性と非連続性を明確にして、因果推論の方法を社会学のなかに適切に位置づける。(d) (a)(b)(c)をふまえて、「量対質」の対立をこえた安定的な因果分析の枠組みを構築する。 このうち、本年度は昨年度に引き続き、本年度は(c)および(b)の作業を主におこなった。その成果を著書の形でまとめて出版できるようにした。出版社もすでにきまっており、2022年度中には刊行される予定である。そのなかでは、(a)の成果ともあわせて、Weberの方法論だけでなく、膨大な量であるがゆえにその全体像がつかみにくとされてきたWeberの比較社会学的研究の全体が、「適合的因果構成」の手続きにそって体系的に理解できることを明らかにしている。
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Research Products
(2 results)