2019 Fiscal Year Research-status Report
EUの循環移民政策と移住労働者の国籍変更戦略-イタリアの東欧出身者を事例として
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18K02011
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 教授 (50386520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
中島 崇文 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (90386798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 移住労働者 / 循環移民 / 国籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、移民送り出し国であるモルドヴァの移民政策や移住労働の実態について、2019年3月に政府機関や国際機関、研究所、大学、NGOなどの関係者を対象に行ったインタビュー調査の内容を分担してまとめ、分析を行った。次に、現地で収集した資料を精読して検討し、研究会で発表をして共有した。 研究会は2回開催し、その他に適宜メールで意見交換や2020年3月に予定していた現地調査の準備を行った。2019年7月に開催した研究会では、松前もゆる教授(早稲田大学)を招いて「ブルガリア農村からの国際労働移動と生活戦略に関する試論/論点整理―ジェンダーおよび世代の視点から―」と題する発表をしていただいた。ブルガリアからの国際労働移動の状況について専門的知識を提供していただき、モルドヴァの状況とも比較しながら、移住労働者のおかれた現状や課題について、また移住先での状況について意見交換を行い、知見を深めることができた。 現地調査に向けては、イタリアのローマ在住の移民問題に詳しい専門家の協力を得ながら、訪問先の検討を行い、資料収集等の準備も進めていた。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される中、現地への渡航が困難になり、インタビュー調査の実施も見通せなくなったことから、中止の判断をせざるを得なかった。 都市封鎖が段階的に解除されていき、状況が落ち着いたことが確認出来れば、本年度実施できなかったイタリアでの現地調査を2020年度の後半に行いたい考えである。しかし、各大学での渡航自粛要請や現地でのインタビュー調査の実施が困難な状況が続いた場合には、別の方法での研究遂行を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月にイタリアのローマで現地調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のためにローマがロックダウンされ、調査を行うことができなかった。そのため、移住労働者の受け入れ国側の状況について、直接現地で聞き取り等を行った上での知見を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施できなかったイタリアのローマでの現地調査を、2021年2月に行う予定である。ミラノでの調査も可能であれば実施する。新型コロナウィルス感染症の影響により、現地でのインタビュー調査が困難な場合には、質問紙など、別の方法で調査を実施することを検討する。 ヨーロッパにおける移民の送り出し国と受け入れ国の状況、循環移民政策、国籍問題等についての文献・資料収集に力を入れ、またモルドヴァの現地調査で得られた知見をさらに検討し、その後の動きも丁寧に追う。 研究会は、ビデオ会議システムも使いながら、2~3回開催する。それに加えて、意見交換を適宜メールで行う。
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Causes of Carryover |
2020年3月にイタリアのローマで行うことを予定していた調査が、新型コロナウィルス感染症の影響で実施できなかった。そのため、旅費等の支出がなくなり、次年度使用額が生じた。 イタリアでの現地調査は、2020年度に改めて実施したいと考えているが、新型コロナウィルス感染症の状況が落ち着くことが前提となる。
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Research Products
(5 results)