2022 Fiscal Year Research-status Report
EUの循環移民政策と移住労働者の国籍変更戦略-イタリアの東欧出身者を事例として
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18K02011
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 教授 (50386520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
中島 崇文 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (90386798)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移住労働者 / 循環移民 / 国籍 / 家事労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究会を4回、いずれもビデオ会議システムを使用して開催した。第1回研究会では、今年度の研究の方向性を確認するとともに、コロナ禍の影響を受けた東欧出身(特にモルドヴァ出身)の移住労働者が置かれた状況について、情報交換を行った。 第2回研究会は、柴崎パメラ氏(モルドバジャパン広報担当)をお招きして開催した。コロナ禍やウクライナ情勢の影響を受けるなかでのモルドヴァの人々の生活の実情や移住労働者の動向、またルーマニア国籍を取得する人々の具体的な事例や複数の国籍を持つ人々が利便性やアイデンティティの問題をどのように捉えているのか、そして言語をめぐる問題(ルーマニア語とモルドヴァ語の関係、ロシア語の使用状況)等についてお話をうかがった。その後意見交換を行うことで、さらに知見を深めることができた。 第3回研究会では、イタリアでの現地調査に向けて意見交換やスケジュールの確認を行った。また、「複数国籍」をめぐる研究動向について、情報交換を行った。 第4回研究会では、モルドヴァとビデオ会議システムをつなぎ、ライサ・ブラドゥツァヌ氏(モルドヴァ・日本文化文明協会理事長、元モルドヴァ共和国ルチンスキ大統領首席補佐官)に聞き取り調査を行った。ウクライナからの避難民がモルドヴァに大勢流入したことによる影響や支援の実情、モルドヴァ出身の移住労働者の動向、モルドヴァがEU加盟候補国になったことによる変化等についてご教示いただいた。また、2023年度に予定しているイタリアでの調査に向けて意見交換を行い、ご協力いただけることとなった。 研究会の他に、情報共有や意見交換はメールで随時行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響がまだ残る中で、今年度予定していたイタリアでの調査は無理をして実施するのではなく、準備を整えて次年度に行うこととした。そのため、現地調査を通しての情報収集ができず、知見を十分に深めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
イタリアでの現地調査は、9月に実施をする方向で調整を進めている。調査を実施するにあたっては、新型コロナウィルス感染症やウクライナ情勢の影響を踏まえることが必要となり、これまで以上に複雑な状況の分析が求められるようになっている。 関連する文献・資料を丁寧に収集するとともに、移住労働者自身や支援組織等へのインタビュー調査を実施することで、適切に捉えられるようにしたい。そして、現地調査の成果を踏まえて、研究の総まとめを行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響が残る中で、現地調査の実施を今年度は見送ることとしたため、旅費等の支出がなかった。 次年度は、イタリアで現地調査を実施する予定であり、旅費や調査に伴う諸費用を支出する計画である。
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Research Products
(3 results)