2018 Fiscal Year Research-status Report
父親の家事参加が子のキャリア志向、非認知的スキルの習得に与える効果に関する研究
Project/Area Number |
18K02039
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉元 綾子 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科(日本語日本文学専攻、英語英文学専攻),生活科学科(食物栄養専攻、生活科学専攻),商経学科(経済専攻、経営情報専攻),第二部商経学科】, 准教授 (20225254)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 家事参加 / 父親 / 子ども / 非認知能力 / 挑戦心 / 収入格差 / 二次関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年計画の第1年度である2018年度は、父親の家事参加促進とその影響に関して、①先行研究のサーベイ、②東京都の父親を対象とするweb調査、の2点を主に行った。 ①先行研究から、夫婦の収入格差が母親の育児・家事参加に与える影響を調べたBianchi et al. 2000 らの研究が今後の展開に多いに参考になる。母親の収入が父親に比べて低い場合も高い場合もdoing genderで家事を担い、ほぼ両者の収入が拮抗する場合にのみ、家事参加の頻度が低くなるという下に凸の二次関数を描くという。これが日本でも確認されるかどうかは、次年度以降の実証研究で検証を行う。 ②のweb調査(東京都在住、正社員雇用者、第1子が小学校1-3年、配偶者は有職者、父親、200人。別予算)からは、父親が「家事に関する知識を保有している」(β=.422, p<.000)と思うほど、また「家事をしていると子どもの挑戦心が高まる」(β=.305, p<.000)と思うほど、統計的に有意に家事参加を行うことが確認された。前者はこれまでの申請者らの研究(Takahashi, et al.2012, 2013, 2015など)を支持し、子どもの非認知能力に対する家事の影響効果は、新たな知見である。非認知能力、態度変数attitudeは尺度も開発されている。それら最新の変数を用いて、父親の家事参加に関する子の影響に関して引き続き、研究を進める。また②に関しては、投稿論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①と②は想定通り、すすんでいるが、予定していたカナダ訪問は諸事情から実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
web調査を複数行い、促進変数や結果変数、規定要因などを継続して探る。 あわせて、幼稚園・保育園の教諭・保育士による子の非認知能力測定の協力依頼が実現しそうなので、その点からも調査を進める。具体的には、保育士による評価と、母親もしくは父親の回答による家事参加実態調査をマッチングさせた研究である。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していたカナダのNobody's Perfectは、日程調整があわずに訪問できなかった。その経費が残っている。2018年度の先行研究の読み込みにより、研究関心の軸がペアレンティングから収入格差、doing genderにシフトしているので、そのような研究を行っている機関・海外研究者への訪問・ヒアリング費用に充てる。
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Research Products
(11 results)