2020 Fiscal Year Research-status Report
原発被災市町村復興の担い手となる壮年期男性への生活と健康に関する支援方法の構築
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18K02058
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩佐 有華 (秦有華) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90609132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 智子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00300096) [Withdrawn]
富山 智香子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80359702)
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90405051)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原発事故被災者 / こころの健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島県内での広域避難を続ける被災者のこころの健康状態とそれに影響を及ぼす要因を明らかするために、研究者らが福島県内で原発災害被災者の健康支援を目的として開催している健康相談会において使用している問診票を用いて分析を行った。こころの健康状態の評価は、Kesslerにより開発され日本語版が作成された気分・不安障害のスクリーニング調査票K6を使用した。K6と性別、年齢、原発事故以前の居住地の避難指示区域、家族構成、外出の程度、家族や地域との交流、現在の居住地域に対する認識との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて分析した。分析にはIBM SPSS Statistics ver25 for windowsを使用した(p<0.05)。 2017年~2019年の健康相談会参加者の問診表の内、K6に欠損値のない108名分(延べ)を今回の分析対象とした。性別は男性30名、女性78名、年齢は平均76.2歳(年齢幅61~87歳)、K6は平均点3.6点(最小値0点、最大値19点)であった。また、K6が5点以上(心理的ストレスを有する状態)の者の割合は30.6%、K6が13点以上(うつ病や不安障害が強く疑われる状態)の者の割合は6.5%であった。K6と性別、年齢、避難指示区域、家族構成との間には有意な相関はみられなかった。K6と外出の程度、家族や地域との交流、現在の居住地域に対する認識との間にそれぞれ弱い相関がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
被災から10年に渡り避難生活を続けている壮年期男性の睡眠及びストレスについて、本人へのインタビュー及び活動計による測定を行う予定であったが、COVID 19の影響により対面でのインタビューが行えなくなった。またCOVID 19による自粛生活が働き盛りであり壮年期男性のストレスや睡眠にが影響を及ぼす可能性が高く、研究計画の再考が必要となったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はCOVID 19収束状況を踏まえてインタービュー調査を行う予定であるが、非対面インタビューの実施に関しても検討していく。ウェアラブル端末を使用し、対象者及びコントロール群(非被災者)の睡眠とストレスを測定し、コントロール群との比較、COVID 19前のデータとの比較を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、COVID 19の影響によりデータ収集が行えなかったこと、学術集会がオンラインとなったため交通費が不要であったことによるものある。 次年度の使用計画は、旅費(研究成果発表、データ収集のための現地訪問)、人件費(謝金、翻訳費)、物品費(ウェアラブル端末、タブレット端末、ノートPC)、その他(研究成果発表、通信費)に使用する予定である。
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