2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on removal of histamine in foods to prevent allergic food poisoning
Project/Area Number |
18K02224
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒスタミン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度にいわしのつみれを下茹でまたは水に浸漬させることでヒスタミンの除去を検討したところ、下茹でで30%程度、浸漬で40%程度のヒスタミンを除去できることを確認した。さらに除去することを目指し、ヒスタミン分解酵素を多く含むことが知られている豆の発芽部分を使用して食品内のヒスタミンを除去することを検討した。市販されている豆苗を使用し、ブレンダーで発芽部分を破砕し、遠心分離にて上清を得た。その上清(豆苗由来エキス)とヒスタミンとを反応させ、ヒスタミン量の経時変化を調べた。豆苗由来エキスを添加した群では、添加しない群に比べて有意にヒスタミン量が減少することを確認した。 微生物の殺菌技術として、近年放電技術を用いた手法が注目されている。放電現象によって生じる荷電粒子、すなわち電子や正イオン、負イオンなどが微生物細胞表層に衝突し、殺菌に関与すると考えられている。原理的には、これらの荷電粒子が酵素表面や低分子物質にも影響を及ぼすことが十分考えられる。そこで低温大気圧プラズマ発生方法の一種であり、比較的簡便な放電法のコロナ放電を用いて、ヒスタミン産生菌数、ヒスタミン合成酵素活性およびヒスタミン量への効果を調べた。コロナ放電によりヒスタミン産生菌の生菌数が減少し、ヒスタミン合成酵素の活性も低下した。さらに、コロナ放電によりヒスタミン量自体も減少した。条件検討次第では、ヒスタミン除去にコロナ放電が有用である可能性が示された。
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