2018 Fiscal Year Research-status Report
高葛藤離婚後の面会交流における親子関係再構築支援に関する研究
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18K02456
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
青木 聡 大正大学, 心理社会学部, 教授 (40327987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 康彦 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30434541)
小田切 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (10316672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 面会交流 / 高葛藤離婚 / 心理教育 / 共同養育 / 片親疎外 / 親子関係の再構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、米国フロリダ州立大学の家族内暴力研究所(Florida State University, Institute for Family Violence Studies)が開発し、フロリダ州公認の離婚時オンライン親教育プログラムである“Successful Co-Parenting after Divorce”について、フロリダ州立大学家族内暴力研究所から許諾を得て、東京国際大学の小田切紀子教授と共に日本の社会・文化に適用するために内容を精査し、改訂を加え、日本語版のホームページ「リコンゴの子育てひろば」トライアル版を公開した。 「リコンゴの子育てひろば」は3つのパートで構成されている。パート1は「離婚後の子育ての基本」であり、離婚後の協力的な子育ての大切さや離婚が子どもに与える影響などについて解説している。パート2は「離婚後の協力的な子育てのスキルと方法」であり、離婚後の協力的な子育てに役立つ5つのスキルと11の具体的な方法について解説している。パート3は「セルフケア、家族の変化」であり、子育て中のセルフケアや離婚後の人間関係について解説している。 「リコンゴの子育てひろば」は、閲覧無料のオンライン心理教育であるため、24時間誰でも気軽にアクセスできる点に特徴がある。離婚後は単独親権となる日本では、近年、離婚後の面会交流や養育に関する父母の争いが増加している。それにもかかわらず、離婚後の面会交流や子育てにどのように取り組めばよいのか、適切な情報を得る場が少ない。このホームページは閲覧無料のオンライン心理教育として、離婚した父母の争いを予防する一助となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、2018年度はホームページ「リコンゴの子育てひろば」トライアル版を公開することができた。“Successful Co-Parenting after Divorce”の日本語版ホームページを立ち上げることは長年の念願であり、ようやく実現にこぎつけた。 また当初、本研究課題では、量的研究と質的研究を同時並行で進めていく計画を立てていたが、量的研究の内容を当初計画よりも格段に充実させ、その結果を反映させたインタビュー調査を行う計画に組み直した。量的研究として実施したインターネット調査は2018年度末に終了しており、これから統計解析を進めていく段階である。その結果を踏まえて、2019年度後半よりインタビュー調査を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前半のうちに、すでに終了したインターネット調査のデータについて統計解析を進める予定である。そして、その結果を踏まえて、面会交流を円滑に実施できている群と面会交流を実施できていない群に対して、2019年度後半よりインタビュー調査を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
海外出張(Nurturing Parenting Skills for Families in Supervised Visitationのファシリテーター研修視察)の日程とインタビュー調査の実施を次年度に変更したため。
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Research Products
(6 results)