2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Retreaval-based Learning to Consolidate Children's Learning Content and Foster Metacognition in Mathmatics Classes
Project/Area Number |
18K02574
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00314518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 千絵 関西福祉科学大学, 教育学部, 准教授 (00548117)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 算数科 / メタ認知 / 振り返り |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の記憶研究においては,自分で学習内容を思い出すこと(検索すること)が,実験者から学習内容の説明を聞いたり・学習内容を再度見直したりするよりも,記憶することへの効果が高いことが実証されている。これを授業に当てはめると,学習内容の定着には,子どもたち自身が教科書を読んだり,再度覚えたりする,あるいは教師が再度まとめたり教えたりすることよりも,本時で何を自分が考えたのかなぜそのように思ったのかを,自分で思い出す(検索する)ことが効果的であるという仮説が提案される。そこで本研究では,授業での学習内容を自分で思い出すことを活用した学習を「検索学習(retrieval-based learning)」と定義し,検索学習が学習内容の定着にどのように貢献するかについて,授業実践を通して検討した. また検索学習では,授業中に自分や友だちや先生が,どんな発言をしたのか,どんなことを考えていたのかを思い出す(検索する)ことで,その学習内容の定着を目指すが,自分が何を考えていたのかを思い出すことによって,自分はどう考えるのか今後はどんなことを考えながら授業に参加すべきなのかも併せて学習する機会となる可能性がある。 以上のことから,本研究においては,以下の事に取り組んだ.まず,算数科における学習内容の振り返りとメタ認知の育成に関する理論的研究を整理した.それらの結果,振り返りにおいて検索学習とそれに関連する活動を行うことは,学修内容の統合に関連するとともに,メタ認知を促す可能性が示唆された.さらに,算数科授業における児童の「学習内容の定着」と「メタ認知能力の育成」をめざす検索学習の実践を行った.その結果,児童の授業での活動や記述内容をもとに,算数科における学習内容の統合にかかわる活動とメタ認知的気づきにかかわる活動を見出すことができた.
|
Research Products
(2 results)