2019 Fiscal Year Research-status Report
イギリス現職教育にみる文学の省察的読みの力を育む対話型小中連繋学習指導プログラム
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18K02620
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
松山 雅子 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (50173927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イギリス国語科教育 / 義務教育の体系性 / 教師教育 / マルチモダリティ / 文学の対話型学習指導 / 省察型思考力 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研研究課題にかかわって、前年度の研究を受け継ぎ、イギリス国語科現職教育における初等から中等への連携を探求するべく、以下の(1)口頭発表(2)論文発表を行った。特に、詩を軸にしたKS3(わが国の中1・2年に相当)対象の学習指導書The PoetryBookの単元考察を通して、初等教育教科センターCLPEの一連の韻文単元の目的、教材観、指導観、学習指導過程、評価との連動性を具体的な考察を試みた。合わせて、義務教育到達点で実施される公試験GCSEの出題課題でもある小説の対話型学習指導プログラム提案の考察にも本格的に着手した。
(1)口頭発表 1「内ロンドン小学校国語教育センターの試み(19)-イギリス現職教育にみる小中連繋国語科学習指導の一事例(詩単元)の考察」大阪国語教育研究会(於:高津ガーデン、2019年9月23日)/2「イギリス現職教育にみる小中連繋国語科学習指導」全国大学国語教育学会 第137回(於:宮城教育大学、2019年10月26日)/3「内ロンドン小学校国語教育センターの試み(20)-イギリス現職教育にみる小中連繋国語科学習指導の一事例 (散文)の考察」同上、(於:ホテルアウィーナ、2020年2月9日)
(2)論文発表 「イギリス義務教育における体系的なリテラシー学習指導―第7学年詩の入門単元(Bleiman,B.& Webster,L.(2001) EMC KS3 English Series:The Poetry Book所収)でめざされた詩的言語との主体的な対話への誘い―」『国語と教育』44号、(大阪教育大学国語教育学会編、2019.11、pp.1-31)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イギリス国語科現職教育における省察的思考を育む文学の対話型省学習指導プログラムの初等から中等への体系性は、文献を中心とした考察においては、口頭発表、論文投稿などを行うことが出来た。韻文教材から散文(小説)教材へと文献の分析考察は進展してもいる。 だが、2020年3月に予定していたイギリス調査出張が、コロナウイルス禍のため止む無く中止となった。中等国語科教育センター(EMC)のセンター長、学習指導書編集主任、現職研修コース主任との面談調査、研修参加者による文学の授業の参観、小規模アンケート調査の許諾をすべて得ていたが、今日の状況下では、2020年度に実施できる見通しは立っていない。調査方法等を含め再考したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間続けてきた文献を中心とした分析・考察を進め、散文(小説)教材の対話型学習指導プログラムにみる初等・中等の現職教育の緩やかな体系性を明らかにしたい。 現在の状況下では、現地への調査出張、ならびに、当初予定していた大阪府下の小学校、中学校の実践者の協力を得たパイロット実践施行はともに、見通しがたちづらい。 イギリスの国語科現職教育にかかわっては、メールやオンライン等によって、教科センターの試行を尋ね、大阪府下の小中の学校現場においては、実践者の現況やニーズを聞きながら、文学の学習指導にかかわる助言を、これまで以上に注意深く行うことを通して、科研で探求してきた事柄を踏まえ、今日の学校現場になんらかの還元を試みたいと願っている。 今後の研究の進め方については、今後の状況次第で、変更があることを、ご寛容に受け止めていただければ幸いです。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定されていたイギリス調査出張がコロナウイルス禍のため、急きょ中止せざるを得ず、調査の要する予算の多くが今年度繰り越しとなった。 現在、状況の見通しがたちづらい。が可能ならば、予定していた調査出張を実施し、無理であれば、文献調査資料の購入を中心に研究のご支援を受けられればと願っている。研究対象の教科教育センターは、独立採算制の組織のため、現地教師以外の者、外部の者が、学習指導書や教材等を入手しようとすると、一般書籍よりも高額になる。その補助に使わせていただければと考えている。
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Research Products
(2 results)