2022 Fiscal Year Annual Research Report
Organizational Analysis on "Why Japanese Universities cannot Reform Themselves"
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18K02704
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川嶋 太津夫 大阪大学, スチューデント・ライフサイクルサポートセンター, 特任教授(常勤) (20177679)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学改革 / 組織論 / 高等教育政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中央教育審議会、経済団体あるいは有識者などから日本の大学の課題、たとえば、入試制度、教育内容と成果、研究成果、大学経営などが、度々指摘されてきたにも関わらず、同じ指摘がいつまでも繰り返されている。各大学、大学関係者は、これらの指摘を座して看過しているわけではなく、改善を繰り返している。にもかかわらず、同じ課題の指摘が繰り返されている。まるで、回し車の中のネズミのような状態である。努力をしているのに前に進めず、同じ場所にとどまっている。それはなぜなのか?「なぜ、日本の大学は変わらないのか、変われないのか」。この課題に組織論的に取り組んだ。 一つの理由は、大学をはじめとする教育組織は、その生産物(教育)の成果の評価が難しく、大学設置基準等の法律を遵守していることが、その組織の正統性を保証する「制度的組織」であること(マイヤー)。 2つ目の理由は、他方、大学は従来は「クローズド」なシステムであったが、近年あk都度が教育研究に加えて社会貢献、産学連携、高大連携といった様々な活動を課せられ、その活動領域の拡大(バウンダリー・スパニング)を余儀なくされ「オープン」なシステムへと転換を強いられたが、その活動領域の拡大に見合うだけの資源投入がなされず(特に基盤経費である国立大学運営費交付金や私学助成金の削減など)、拡大した活動に見合うだけの資源が不足していることから、すべての活動の深度が弱まることとなった(資源依存論)。 最終年度である2022年度は、2つ目の観点から「変動期における日本の高等教育」をテーマに研究を行った。
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