2018 Fiscal Year Research-status Report
我が国の学位プログラム化の是非を問う―イギリスの経験から検討する―
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18K02719
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 正弘 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (30423362)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学位プログラム化 / 教学マネジメント改革 / 内部質保証改革 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,日本およびイギリスにおける学位プログラム化に関する文献調査に注力した。この成果を下に,我が国において,なぜ学位プログラム化が求められているのか,特に教学マネジメント改革の観点から,教教分離はどのように実行されてきたのかについて,事例研究を踏まえて論じたものを,英文論文としてまとめることができた。この論文は,海外のジャーナルに投稿する予定である。 また,本研究を進める前準備として進めていた編著・論文をいくつか出版することができた。それらは,下記の通りである。 ・Masahiro Tanaka (ed.) (2019) Student Engagement and Quality Assurance in Higher Education: International Collaborations for the Enhancement of Learning, London: Routledge, ISBN 9780367132835. 本編著は,各大学が内部質保証をプログラム単位で行う際に,プログラムに所属する学生がどのように参画できるかを,10カ国の事例研究を通して議論している。 ・田中正弘(2018)「イギリスにおけるリベラルアーツ学位の登場―学際性の意義―」,羽田貴史(編)『グローバル社会における高度教養教育を求めて』東北大学出版会,249-259頁。本論文は,部局から独立した新たなプログラムの開設の事例として,リベラルアーツ学位に着目した。 ・田中正弘(2018)「イギリスの大学教育改革」『IDE現代の高等教育』No.605,60-66頁。本論文は,イギリスの内部質保証の仕組みが国レベルでどのように変革されたかを論じたものとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査を進めていく過程で,当初の予定とは異なり,イギリスの学位プログラム化の分析よりも,日本の学位プログラム化の現状の分析に労力を注ぐこととなったものの,この成果を英文論文としてまとめる作業が順調に進んでいるためである。なお,この論文が海外のジャーナルに掲載されることになれば,外国人研究者からの反応を確認することが可能となり,その反応を踏まえて,日本に必要な情報を海外(イギリス)から得る方策を練り直せるのではと考えているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,主に二つのことを推進していきたい。一つは,日本の学位プログラム化の現状について論じた論文を完成させ,海外のジャーナルに投稿することである。 もう一つは,イギリスの大学を訪問し,日本の大学にとって有意義な情報を集めてくることである。この訪問調査の結果は,和文論文としてまとめ,日本の研究者との議論の糧にしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
イギリス訪問調査を実施しなかったため,旅費に残が生じたため。この調査は令和元年度に行う。
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Research Products
(4 results)