2020 Fiscal Year Research-status Report
我が国の学位プログラム化の是非を問う―イギリスの経験から検討する―
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18K02719
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 正弘 筑波大学, 大学研究センター, 准教授 (30423362)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高等教育 / 学位プログラム / 教教分離 / 国際比較研究 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
イギリスの大学において,一つの学位プログラムを複数の教員組織で共同運営するケースに着目し,文献(公表されている議事録や機関別評価報告書など)で分かる範囲で調査を実施した。具体的に,学位プログラムの開設改廃のたびに教員組織を改組しない(特に,教員の解雇を伴わない)で済む,柔軟な教育資源の活用のあり方を,個々のプログラムを管理運営する組織(プログラム委員会など)の議事録から,明らかにすることを試みた。 しかし,学位プログラムの開設改廃の際に教員の入れ替え(教員の解雇を含む)が大胆に行われた大学が散見されたこと,かつ,そのときにどのような議論が行われたなどのセンシティブな事柄を議事録などから読み取ることに限界があったことから,結果的に,新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で,現地での訪問調査を実施できないことが研究の遂行において障害となってしまった。 そこで,研究期間を一年間延長し,来年度にイギリスの大学への訪問調査を再度計画することとした。なお,教員の雇用契約の内容を読み込むことや,他大学に頻繁に異動することを忌諱しない教員文化など,本研究の着想段階では予定していなかった点について熟慮する余裕ができたことは,本研究を遂行する上で意義のあることだと思われるので,研究期間の延長をポジティブに捉えたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で訪問調査の実施を断念したことから,公表されている議事録や評価報告書からは読み取れない人事に関するやりとりなど,関係する学内文書に直接触れられなかった。このため,明らかにしたいことに確信を持てるほどの情報を得られなかった。 オンライン面談など他の方法も検討したが,直接会わないと見せられないという学内文章も多く,最終的に,研究期間の延長を決断した。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問調査を実施し,人事に関するやりとりなど,生の情報に触れられるように努めたい。そして,その成果を論文にまとめたい。研究成果の公表は,研究期間終了後になるかもしれないが,責任を持って,そのことに努めたい。
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Causes of Carryover |
イギリスへの訪問調査を実施できなかったため,旅費に残額が生じた。 次年度において訪問調査を再度計画し,実施に移す予定である。
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Research Products
(4 results)