2019 Fiscal Year Research-status Report
複合的場面緘黙児の実態解明と教育機関と第三者機関の連携した支援の実践と効果の検証
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18K02747
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
武田 篤 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (10333915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (10735278)
藤井 慶博 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (20711542)
高田屋 陽子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80806175) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複合的場面緘黙 / 自閉症スペクトラム障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、場面緘黙と自閉症スペクトラム障害の関連について検討することを目的とした。A市内のこども園および小学校の教員を対象に質問紙調査を行った。同じクラスに在籍する場面緘黙の特徴を示す児、定形発達児、自閉症スペクトラム障害児について、場面緘黙(SMQ-R)と自閉症スペクトラム障害(AQ)に関するスクリーニング検査に回答してもらった。その結果、場面緘黙の特徴を示すグループは、SMQ-RスコアもAQスコアも高かった。自閉症スペクトラム障害のグループは、SMQ-Rスコアが低く、AQスコアが高かった。定型発達のグループは、SMQ-RスコアもAQスコアも低かった。SMQ-Rのスコアについて、Kruskal-Wallis検定を行ったところ、グループ間に有意差が認められたため (p<0.01)、多重比較を行った。その結果、場面緘黙の特徴を示すグループは自閉症スペクトラム障害のグループ (p<0.01) と定型発達のグループ (p<0.01) よりも有意に高かったが、自閉症スペクトラム障害のグループと定型発達のグループでは有意差が認められなかった。AQスコアについても同様の検定を行ったところ、グループ間に有意差が認められたため (p<0.01)、多重比較を行った。その結果、場面緘黙の特徴を示すグループと自閉症スペクトラム障害のグループは定型発達のグループよりどちらも有意に高かったが (p<0.01)、両グループ間では有意差が認められなかった。以上より、場面緘黙の特徴を示す児の中には、自閉症スペクトラム障害の特徴を示す者が少なからず存在することが明らかとなった。最後に、年度末から複合的場面緘黙児を対象とした個別アプローチを実施しており、今後、大学(第三者機関)と学校が連携しながら適切な支援方略について検討していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画を遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
数名の事例を対象に、場面緘黙に対する支援の中に自閉症スペクトラム障害の特徴に対する支援をどこまで、どのように組み込んでいけるのかを大学と学校が連携・協働しながら検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた学会に参加できなかったこと,また予定していた論文掲載料がまだ未使用のため。 成果発表及び資料収集のための旅費,また,論文掲載料として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)