2020 Fiscal Year Research-status Report
複合的場面緘黙児の実態解明と教育機関と第三者機関の連携した支援の実践と効果の検証
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18K02747
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
武田 篤 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (10333915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (10735278)
藤井 慶博 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (20711542)
高田屋 陽子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80806175) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 複合的場面緘黙 / 自閉症スペクトラム障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、場面緘黙のある高校生を対象に、発話場面の拡大と学校生活への適応を目指した実践を行った。対象生徒は、担任と数名のクラスメイトを除き、学校生活で話をすることができなかった。当初の計画では、大学での介入を試みようとしていたものの、新型コロナウイルスの影響と対象生徒の家庭の事情により実施が困難な状況となった。そのため、学校の協力を得て、大学と学校をオンラインで繋ぎ遠隔(ZOOM)での介入を行った。まず、対象生徒に自閉症スペクトラム障害に関するスクリーニング検査(AQ)を実施したところ、AQ得点はカットオフ値よりも高く、特に社会的スキル・細部への注目の領域の得点が高かった。また、「どのような場面でどれくらい緊張してしまうのか」との問いに対象生徒は答えることができず、発話が難しい場面を客観的に捉えることができていなかった。そのため、介入では、1)発話場面におけるコミュニケーションスキルの学習、2)発話が難しい場面の整理と対処法の検討、3)発話できる他者の拡大を目的とした。介入を開始してから数ヶ月経つと、学習したコミュニケーションスキルを用いて会話する場面が徐々に増えるとともに、対象生徒から「今までは全て同じくらい緊張していると思っていたが、それほど緊張していない場面があることに気づいた」との発言がたびたび聞かれるようになった。得られた成果をもとに、来年度は学校生活での発話場面の拡大に向けた取り組みを実施する。具体的には、学習したコミュニケーションスキルを緊張レベルの低い場面から試みていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画を遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実践を行った対象生徒の担任に半構造化面接を行い、環境調整という観点から自閉症スペクトラム障害の特徴を有する場面緘黙児に対する学校での支援の在り方を検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより,参加を予定していた複数の学会がWeb開催となり旅費の支出がなかったため。また,同様に新型コロナウィルスのため,学校現場に出向いて行う支援が制限され,旅費の支出が減少したため。新型コロナウィルスの感染状況が落ち着き次第,学会への参加,学校現場に出向いて行う支援を再開する予定である。
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Research Products
(2 results)