2018 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校の防災対策における合理的配慮と基礎的環境整備に関する調査研究
Project/Area Number |
18K02752
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
坂本 裕 岐阜大学, 教育学研究科, 准教授 (20310039)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 全 岩手大学, 教育学研究科, 准教授 (20758099)
棚野 勝文 岐阜大学, 教育学研究科, 教授 (30774559)
中村 敬子 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (90788902) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 自然災害 / 防災対策 / 特別支援学校 / 合理的配慮 / 基礎的環境整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年1月~3月に行った特別支援学校の防災対策に関するパイロット調査[対象は各都道府県に初設置された旧養護学校47校]では『学校外の避難所への移動方法』『保護者との連 携方法』等が半数以上の特別支援学校では未検討である状況が明らかになった。また、パイロット調査実施直後に発生した熊本震災での実地調査(平成27年5月、10月)では『特別支援 学校は都道府県が設置者であるが、一般避難所等は市町村が設置者となるために連携が取れ ない』等が大きな検討点となった。このようなパイロット調査や熊本震災直後の実地調査で明らかになった知見に加え、研究代表者と研究分担者で,東日本大震災の対応状況(岩手県)や熊本震災(熊本県)の状況を明らかにする実地調査として,6月11日に岩手県立気仙光陵支援学校,岩手県立釜石祥雲支援学校,岩手県立宮古恵風支援学校,6月12日に岩手県高等学校教職員組合,6月18日に熊本県立大津支援学校,6月19日に熊本県立熊本かがやきの森支援学校,熊本県立熊本支援学校の訪問調査を行った。更に,9月22日から24日に日本特殊教育学会第56回大会での資料収集を行った。それらの結果を踏まえ,8月から10月にかけて,研究代表者と研究分担者で,本調査の質問項目を設定した。そして,12月に,他機関との連携や保護者との連携等の実態により応じた項目で構成した全国特別支援学校1026校対象の質問紙調査を実施した。1月末を回答の締め切りとし,630校(61.4%)から回答を得,欠陥データのあった3校を除外し,637校の回答データを分析対象とした。また,南海トラフ地震への対応状況に関する知見を本研究の分析に加えるため,1月25日に光の村養護学校土佐自然学園,1月26日に高知市立高知特別支援学校の訪問調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パイロット調査,実地調査,更に,本課題での追加実地調査の結果を踏まえた質問紙調査を全国特別支援学校1026校に実施し,630校から回答を得,628校の分析データを収集でき,2年次以降の研究に進展できる状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年次は1年次で得たデータの集計・分析を行い,日本特殊教育学会第57回大会でポスター発表し,同研究を行っている研究者等と意見交換,協議を行い,分析ならびにその考察を深化させる。 3年次は2年次の成果を踏まえ,特別支援学校における防災対策における合理的配慮,基礎的環境整備についての提言をまとめ,全国特別支援学校に報告書として配付する。
|
Causes of Carryover |
統計処理ソフトSPSSのバージョンアップがなかったために繰り越し,バージョンアップ費用として使用する計画をしている。
|