2020 Fiscal Year Research-status Report
外集団攻撃の適応基盤を探る-男性戦士仮説と実効性比の理論的整合の検討
Project/Area Number |
18K03025
|
Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
横田 晋大 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (80553031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三船 恒裕 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (00708050)
杉浦 仁美 近畿大学, 経営学部, 講師 (10761843)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 男性戦士仮説 / 外集団攻撃 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍における非対面授業の実施により、実験室実験を実施することができなくなり、計画した研究の遂行が困難となった。そのため、web上でのシナリオ実験を実施した。実験では、参加者が2つの集団に分かれ、集団への投資額を決定するという課題を行う。その際、投資先は3つあり、内集団協力(投資した額は2倍になり、内集団成員に平等に分配)、外集団収奪(投資した額を外集団から差し引き、内集団成員に平等に分配)、外集団攻撃(投資した額だけ外集団の投資額から差し引かれる)であった。参加者に全参加者の性別が教示されるか否かの操作が行われた。性別が教示される場合には、全員が参加者と同じ性別であると告げられた。男性戦士仮説によれば、男性同士の集団間状況では、より攻撃的な選択肢(外集団収奪・外集団攻撃)への投資が増えると考えられる。 株式会社クロス・マーケティングのモニター400名(男女200名)を対象に実験を実施した。その結果、参加者全員が男性と教示された男性参加者でのみ、外集団収奪への投資額が多いことが示された。ただし、課題の説明の理解度をチェックすると、多くの参加者が課題の説明を理解が難しいと回答していることが分かり、課題の理解度を共変量として投入した分析では、上述した結果は統計的に有意ではなくなった。これらの結果は、web上での集団間状況を用いたゲームを実施することの難しさを示している。 以上の結果は、日本人間行動進化学会第13回大会にて発表された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの感染防止のため、非対面授業が実施され、実験室実験の実施が困難になったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、上述したシナリオ実験を実験室実験にて実施し、ゲームの妥当性を検証する。その上で、集団内の性比を操作して、仮説の検証を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染予防のため、成果発表のための国内外の学会への出張や実験室を用いた実験がそれぞれ中止になったためである。
|
Research Products
(1 results)