2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03199
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 睦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70215565)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンパクト化 / 線型群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,線型群の表現のコンパクト化を考え,その構造を明らかにすることにより線型作用の極限を統一的に扱うことを目指すことである。数学の多くの対象においてその線型変形の極限を考察することが良くあるので,この研究は多方面での応用が期待できる。本研究期間においては,応用面では主に超幾何微分方程式系の変形に適用することを目指している。 射影一般線型群PGL(V)の自然表現をコンパクト化したものとして,既に,PM(V)というコンパクト空間で半群であるものを定義していた。2019年度では,射影一般線型群の自然表現についての考察を深化させるとともに、射影一般線型群の色々な部分群について,そのPM(V)での閉包についての考察を行う。特に、超幾何微分方程式系への応用に向けて、特別な部分群のPM(V)での閉包についての考察を行う予定であった。 超幾何微分方程式系の合流操作に関して以前研究した折に冪単元の作用の極限を使用したので,まず,冪単元のPM(V)内での極限を記述した。さらに,ジョルダンリー部分代数の変形を研究した折には,半単純元の作用の極限も使用したので,半単純元のPM(V)での極限も記述した。 また,複素直交群に関して考察を進めた。即ち,PO(V)を複素直交群O(V)に零でないスカラーを掛けたもののPM(V)での自然な像とし,Cl(PO(V))をそのPM(V)での閉包とする。PO(V)には属さないが,Cl(PO(V))に属する例を多数構成した。Vが或る種の直交性を満たす幾つかの部分空間の直和で書く。各部分空間で,前段落で述べた冪単元と半単純元の極限を応用し,一般の元の極限を考え,それを並べてCl(PO(V))に属する例を構成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の想定したところまで研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、射影一般線型群の色々な部分群について,そのPM(V)での閉包についての考察を行う。特に、超幾何微分方程式系への応用に向けた特別な部分群のPM(V)での閉包についての考察を行う。また,stratificationに着目した研究にも着手する。
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Causes of Carryover |
他の業務で多忙であったことと,新型コロナウィルスによる研究集会の中止などで,出張が当初の想定より実行することができなかった。新型コロナウィルスによる影響がおさまった後,次年度使用額で,積極的に研究集会へ参加し,研究交流を進展させたい。
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