2021 Fiscal Year Research-status Report
Higher dimensional representations of fundamental groups of low-dimentional manifolds and geometric structures
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18K03266
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲谷 祐一 北見工業大学, 工学部, 准教授 (70551703)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幾何構造 / 双曲幾何学 / 低次元多様体 / 高次タイヒミュラー空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2次元の曲面や3次元多様体の幾何構造の研究である。幾何構造はこれらの多様体の基本群の線型表現と密接に関連する。従来は2次元表現であるSL(2,R) と SL(2,C) への表現がよく調べられていて今でも重要な研究対象であるが,一方で高次の表現の研究が活発に行われるようになっている。1点穴あきトーラスと開区間との直積でできる3次元多様体を8面体に分割することで,基本群のSL(2,C)表現の変形空間を理想双曲8面体の変形空間と関連づけられる。この8面体分割から自然に構成される1点穴あきトーラス上の複素射影構造を見ることで,展開写像が単射でない擬フックス群をホロノミーにもつ複素射影構造がどのように得られるか,特にそれが一度離散表現を離れて再び離散表現に至る過程が可視化できる。さらにこの手法は高次元表現の記述にも用いることができる。また表現の空間のなかで発散する表現の列を構成する際にも非常に有効な手段である。 2021年度は次第に出張できる環境も整ってきたが,全てオンラインセミナーでの参加のみになってしまった。ハイブリッド授業への対応や学内の業務など研究以外の仕事が忙しく研究の進捗については恥ずかしい限りであった。プレプリントの論文を再投稿し,改訂を進め,受理された。研究発表として,2022年3月19日から21日にオンラインで行われた「微分トポロジー '22」で講演を行った(タイトル"Culler-Shalen理論の概説")。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実績の概要の通り他の業務で忙しいこともあって進捗はよくなかった。実績として書ける結果は少ないが,時間が作りにくいなかでも研究にかける時間はなんとか確保して,最新の成果についても常にチェックしていた。コロナウィルスの感染状況も日々変化し,研究のための出張に行けそうで行けない状況が続いている。オンラインでの研究活動が主体になって,研究費を使う活動があまりなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスの感染状況は現在も予断を許さないが,そんな中でも通常時の状況に戻そうとの努力がなされていると思う。ここ2年ほど直接の交流がなかったが,2022年度は再開していきたい。最終年度に向けて,これまで研究で使ってきたプログラムを Github で公開していくことも進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも出張が少なかったため。引き続き旅費として使用する予定だが,COVID-19 の影響が続く場合は,オンラインでの研究集会の参加や企画 のために謝金や物品費に使用することも考慮する。
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