2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03404
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
阿部 吉弘 神奈川大学, 理学部, 教授 (10159452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄葉 季路 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10513632)
南 裕明 愛知学院大学, 教養部, 講師 (70646885)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Pκλ / イデアル / local P-point / 基数不変量 / 無限帽子パズル / 集合論的地質学 / 選択公理 / 強コンパクト基数 |
Outline of Annual Research Achievements |
Local P-pointの次のような特徴付けを与えた:WをPκλのunbounded setによる分割とするとき、bounded イデアルとWの元から生成されるイデアルをJ(W)とする。Iがlocal P-pointではないことと、あるWに対してJ(W)をIが含んでいることは同値である。 イデアルのカテトフ順序に関連して、ED_fin イデアルについての有限分岐するtree type強制法がどの程度の基数不変量を保存するかを調べた。 無限帽子パズルとイデアルの組み合わせ論:(1)自然数人囚人がいて一方通行の視界しかない場合、囚人の視界は自然数上のグラフとして表現できる。双対フィルターI*-many 正解になるような戦略が存在するならば、グラフの意味でI positive-manyの独立集合は存在しない。この逆が成り立つイデアルをNISイデアルとよぶ。極大イデアル I に関しては、I*がRamsey ultrafilterであることとIがNISイデアルであることは同値である。Definable(Borel,analytic,co-analytic)なイデアルでNISイデアルとなるようなものがないか調べている。(2)「視界」は十分あるが,色の見分けがつかない場合について、必勝法や必敗法のあるようなゲームの枠組みを自然数の集合の分割を用いて調べた。 強制法への波及効果:適当な巨大基数の仮定の下では選択公理を使わずに集合論的地質学展開できることを示した。また、集合論的地質学をsymmetric extensionを含む形に拡張した。 集合論的位相幾何学への応用:ω1-strongly compact cardinalのgeneral topologyへの新たな応用をいくつか得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主目的のPκλ上のイデアルの構造的性質理論の構築は、local P-pointに関する進展はあったものの、飽和イデアルとP-pointの関係など2年目の目標とした課題はほとんど進んでいない。 拡がりという面では、無限帽子パズルとの関連で興味深い結果が得られたが、基数不変量に関係する強制法を始めとする本質的な探求はこれからである。 他への波及効果という点では、かなりの結果を残した。Pκλ上のfine ultrafilterにより定義される強コンパクト基数と集合論的位相幾何の関連は従来から知られていたが、技術的に難しい結果が得られた。また、選択公理を仮定しない集合論的地質学の展開においては、目覚ましい成果をあげた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、他の業務との兼ね合いで、本研究に向かう時間がなかなかとれなかった。3年目は集中できると期待していたが、コロナ騒ぎで遠隔授業をすることになり、その準備に忙殺されている。2人の分担者も同じ状況であり、悲観的にならざるを得ないが、最終年度でもあり、死に物狂いでやるしかない。 遠隔授業や教授会でZoom等のメディアに慣れるだろうから、出張しなくてもディスカッションができるようになることが期待される。これを奇貨として、学期中は刺激、励まし合い、若干短めだが夏休みに精力を傾けたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響もあり、予定していた海外出張を始め、研究打ち合わせ等の出張ができなかった。次年度繰越額は、研究打ち合せ旅費や関連書籍の購入に充てる予定である。
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