2019 Fiscal Year Research-status Report
Pattern formation in plasma turbulence with flows along magnetic field
Project/Area Number |
18K03578
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小菅 佑輔 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (00700296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プラズマ乱流 / 旋回度 / 軸方向速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、磁化不均一プラズマ乱流が生み出す種々の構造について、その励起機構を理解し、選択則を得ることを目的としている。 前年度の研究から、磁化プラズマ に形成されるストリーマ流の励起機構について密度変調に着目した結果を得た。今年度の研究では、その核融合プラズマへの応用に取り組み、炉心プラズマ と装置壁をつなぐ Scrape off Layer 領域の輸送の問題に着手した。ストリーマ流が励起された場合に、Scrape off 層の幅が広がる効果について解析を進めた。解析的に得られた厚みについて、数値実験及び物理実験から報告されているスケーリングと概ね一致する結果を得ることに成功した。 磁場方向の流れを含む乱流について、旋回度に着目した解析を進めた。通常旋回度が有限となるためには、系の鏡映対称性が破れる必要がある。磁化プラズマでは、この鏡映対称性の破れと磁場方向対称性の破れとが密接に関わっていることを明らかにした。旋回度の値が、低周波揺動の場合には磁場に平行な方向と垂直な方向の成分の間で等分配されることを見出した。旋回度が系の対称性の破れを定量化するのに有効なパラメータであることを提唱し、実験測定法について提案することができた。 得られた成果については、主要な国際学会(17th International Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices, the 10th Festival de Theorie, Aix-en-Provenceなど)での招待講演として報告した。国際的学術誌Phys. Plasmas 等にて論文を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体計画では、プラズマ乱流の生み出す種々の構造についてその励起機構を理解し、励起された構造を考慮した輸送像の構築や様々な問題への応用を目指している。今年度の研究において、プラズマ中に励起された非線形ストリーマ流が実際の核融合装置の成否を握るスクレイプオフ層の厚みを決めている可能性について解析を進めることができた。磁場方向の流れ場を含めた乱流の解析について、準2次元的なモデルを3次元に拡張することにより旋回度が重要となることを見出し、乱流や輸送モデルの適用範囲を広げることができた。これを受け、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
旋回度を伴う乱流は核融合プラズマのみならず降着円盤でも報告されている。今年度までに得られた結果は主に核融合プラズマを念頭においた静電乱流に対して得られたが、今後は応用対象を広めるべく電磁乱流の解析にも着手する予定である。
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