2019 Fiscal Year Research-status Report
点品質最適化に基づく環境3次元計測点群データ処理手法の開発
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18K03896
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊達 宏昭 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (20374605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 理 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90194878)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 3次元レーザ計測 / 点群 / 画像計測 / 3次元再構成 / 計測品質推定 / 位置合わせ / フィッティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,様々な計測方式や計測システムで取得した環境3次元計測データの安定かつ高精度な利用のための計測データ処理手法群の開発を目的としている.本年度は,(1) 計測データの品質評価,(2) 計測品質を考慮した最適計測,ならびに (3) 点品質を考慮した点群処理に関する研究を行い,以下の成果を得た. (1) レーザ光の反射特性モデルに基づいて,計測距離・入射角に関するレーザ計測点群の点品質評価指標を開発した.既知形状の実計測点群に対する評価を行い,計測誤差と開発した品質評価値との強い相関を確認した. (2) 画像集合からの3次元モデル再構成(SfM/MVS)における最適計測(画像撮影)支援を目的として,最終的な再構成モデルの品質を,再構成処理の中間データ(画像撮影カメラ位置とラフな再構成点群)から推定する指標を新たに考案し,考案した指標による評価値と再構成モデル品質との関係を実験的に調査した.また,レーザ計測の作業支援を目的として,計測した点群の点品質を,環境を撮影した画像上へのリアルタイム重畳表示する手法の基礎検討を行い,プロトタイプシステムを開発した. (3) 点品質評価指標を導入した点群位置合わせ(レジストレーション)処理を開発し,点品質を用いることで点群位置合わせ精度が改善されることを確認した.また,計測点密度を考慮したモデルフィッティング法を開発し,点密度を考慮しない場合と比べて,計測距離によらない安定したモデルフィッティングを行えることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の1つの研究課題であった点品質考慮型点群合成の実現に関して,固定式レーザスキャナにより得られた点群に対しては,品質推定方法ならびに位置合わせ手法の開発と評価までを実施し,おおむね順調に研究が進んでいる.一方で,ハンディスキャナ等の他の3次元計測器から取得したデータを扱うまでに至っておらず,異なる方式で取得した計測データに対する開発手法の適用,ならびに評価が必要である.また,もう1つの課題であった点品質考慮型最適計測手法の開発に関して,画像からの3次元再構成における最適撮影位置提示の基礎となる再構成モデル品質推定法の検討を行い,品質推定に有用な指標を明らかにしている.さらに,推定したレーザ計測点群の点品質を直感的にユーザに提示し,計測作業支援を行うためのAR表示技術も開発しており,本課題についてもおおむね順調に研究が進んでいると言える.また,次年度開発予定であった点品質を考慮したモデリング手法に関して,点密度のみの考慮であるが,モデルフィッティングの基礎手法を検討・開発し,実点群への適用によりその有用性を確認できている.以上より,本研究は概ね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発した計測品質評価法とこれを用いた点群合成手法を,複数種類の固定式レーザスキャナや本研究課題で購入したハンディスキャナから取得した計測データへ適用し,その有効性を評価する.次年度課題の1つである点品質を考慮した最適計測手法の開発については,本年度開発した品質評価指標に基づいて,計測データの品質を最大化もしくは十分な品質を得られる計測方法(計測・撮影位置等)を計算機で導出する方法を開発する.次年度の残りの課題である点品質導入型モデリング手法の開発では,これまでに開発した点品質を各種フィッティングや物体認識の処理に適用する方法を検討し,十分な種類の実計測データを用いた実験を通してその有用性を明らかにし,本研究をまとめる.
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Research Products
(10 results)