2019 Fiscal Year Research-status Report
Build a driving assistance method to realize "comfortable maneuvering feeling" for a sit-riding type WIP PMV
Project/Area Number |
18K04067
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
鄭 聖熹 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50422176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 車輪倒立 / 電動車いす / 加減速動作時の恐怖感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,搭乗者の座位姿勢での重心運動特性,走行時の身体的・心理的負荷の実験的評価を基に、座り乗り式倒立型PMVの「心地良い操縦感」を実現する操縦支援手法の基盤技術を構築することを目的としている。 今年度は、加速,減速操縦における座位姿勢での走行が搭乗者へ及ぼす心理的負荷を不安定実験装置を用いて定量的な評価を実施した。実験装置は被験者が座る座面下部の回転軸周りを回転する構造を持ち、座面後部に取り付けられた2つの直動アクチュエータの動作による電動式と座面下部の前後に取り付けられた圧縮ばねの復元力と搭乗者の上半身の屈曲運動による機械式の2通りで回転できる構造となっている。 まず、加速姿勢である前後傾き角に対する恐怖感を評価する実験を実施した。実験では走行感覚を提示するVR装置は使用せず、被験者の上半身の屈曲運動を搭乗部の回転運動の動力とする機械式で実施した。被験者は、大学生10名である。実験条として、被験者は、地面と平行な座面に座り加減速動作を想定して上半身を前方又は後方へ傾ける動作を行う。搭乗部を傾ける角度は被験者に事前に伝えず、1度から9度までランダムに設定した。被験者は、実験開始前に練習は行わず、各傾き角度の1回目の計測において恐怖感の程度に関する5段階評価のアンケートに回答した。 被験者10人分のアンケートの分析結果、傾き角が大きくなるほど恐怖感が大きくなっていることが確認できた。また、傾き角が2度以内の場合であれば、被験者らはほとんど恐怖感を感じず、7度以上傾くと恐怖感を大きく感じることが確認できた。同実験結果から、搭乗部の傾き角が5度程度であれば搭乗者が恐怖感を感じないで加速又は減速走行が可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の目標は、VR装置を用いた加減速動作時の心理的影響の評価であったが、VRシミュレータによる実験環境構築が遅れ、評価実験の実施が間に合わなかった。実験装置と連動するVR環境は構築されているため、次年度前半で実験を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、VR装置を用いた走行姿勢における心理的影響の評価実験を実施し分析を行う。その後、初年度で実施した座位姿勢での人の重心運動特性を考慮した基本走行系、昨年度に実施した走行操縦時の心理的評価結果を反映した心地よい操縦感を実現する操縦支援手法を構築する。 まず、搭乗者ペルソナモデルを用いて基本走行・急制動制御系を設計する。標準的なバランス能力と急速体重移動能力を持つ搭乗者モデルを作成し、ヒト-車体の走行モデルを構築する。搭乗者のバランス動作における重心運動を座面反力センサで直接検出し、その揺れを動力学的に補償する基本走行制御系を設計する。また、立ち乗り式における急速体重移動の初期に車体の傾き角制御ゲインを瞬間的に高くする急制動制御手法を、上半身の急速体重移動特性を考慮して座り乗り式に適用し制動効果を確認する。 次に、加減速、通常走行時の身体的・心理的負荷とならない操縦支援手法を設計する。前年度までの実験結果を基に、身体的・心理的負荷の少ない搭乗者の操縦姿勢を搭乗席スライド機能により実現する。スライダによる重心移動支援は、車体の傾き角を抑制しつつ加減速性能が向上できる。ここでは、スライダの移動速度が搭乗者の操縦姿勢及び車体挙動へ及ぼす影響を明らかにし、身体的・心理的負荷の少ない心地よい操縦支援制御系を設計する。
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Causes of Carryover |
今年度目標であった、VR装置を用いた評価実験が実施できていないことで次年度使用額が発生した。同額は、次年度の早い段階で実験を実施する際に使用される予定である。
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Research Products
(3 results)