2019 Fiscal Year Research-status Report
筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発
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18K04220
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
河合 康典 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (90413765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越野 亮 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (90369968)
三好 孝典 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10345952)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遠隔制御 / 電気刺激 / 筋肉疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発を行うため,今年度は下記の3つの課題について考える。 課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,筋電位, 皮膚電位,脳波計による筋肉疲労の推定を考える。電気刺激を用いた遠隔リハビリテーションシステムにおいて,従来手法による膝関節の制御を行い,biosignalsPlux(筋電計,皮膚電位計),Muse(脳波計)を用いて測定する。筋電位は従来よりも測定分解能を上げることで周波数解析が改善する。しかし,皮膚電位は疲労の判定につながるデータが得られず,難しいことが分かる。脳波計は,α波,β波などの解析を行ったが,疲労の検出を行うには外乱が多くて,疲労の判定が難しいことが分かる。 課題②の筋肉疲労に対するバイラテラル遠隔制御システムの安定化機構の開発については,ノルムオブザーバを用いた安定化機構について考える。患者側と理学療法士側でノルムオブザーバを用いて,ノルムが安定化条件を破ったときに安定化機構が働くことをシミュレーションにより検証する。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoT,AWSによるクラウドシステムを用いた遠隔リハビリテーションを考える。AWS IoTでは,石川高専とAWS IoT との間で通信を行うことで遠隔実験を行ったが,高速化が達成できなかった。次に,高速化のためにAWSを用いたシステムを構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの進捗状況を課題ごとに下記に示す。 課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,筋電位は成果が出ているが,皮膚電位と脳波では成果が得られなかった。また,機械学習を用いた推定までは達成できていない。今後の課題は,機械学習による筋肉疲労の推定である。 課題②の筋肉疲労に対するバイラテラル遠隔制御システムの安定化機構の開発については,昨年度提案したスキャッタリング変換の改良型,Time Domain Passivity Controlに加えて,ノルムオブザーバによる安定化機構も構築できている。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoTを用いた実験では成功したが,高速化が実現できなかった。そこで,AWSを用いたシステム構築を構築中である。 課題④の遠隔地での実験による検証については,課題③の構築が終了していないため,実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について,課題ごとに下記に示す。 課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,筋電位を用いた疲労の推定,また,筋電位を用いた機械学習による疲労の推定を考える。 課題②の筋肉疲労に対するバイラテラル遠隔制御システムの安定化機構の開発については,構築したノルムオブザーバ,スキャッタリング変換の改良型,Time Domain Passivity Controlの3つを用いて,比較検証していく。 課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWSを用いたシステム構築を行う。そして,遠隔リハビリテーションシステムに適用して実験により検証する。 課題④の遠隔地での実験による検証については,課題③が完成次第,石川高専-長岡技術科学大学で実験を行う。リハビリテーションを行う理学療法士側として,長岡技術科学大学にパドルを配置する。また,患者側として石川高専に電気刺激装置を配置する。実際の通信回線を用いることで,提案する遠隔リハビリテーションシステムの安全性について検証する。最後に,石川高専-フロリダ大学(アメリカ)の間で実験を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度は,当初計画していた脳波計・皮膚電位計のbiosignalsPlux(plux製,型番:biosignalsPlux Explorer)が実験で使えるかどうかデモ機を用いて試していたが,購入まで至らなかった。筋電位において成果が見えてきたので,2020年度は購入する予定である。 国際会議ICFCC2020が新型コロナウィルスの影響で参加できなかったため,旅費を使用できなかった。
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Research Products
(8 results)