2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K04238
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
直井 美貴 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90253228)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サブ波長 / LED |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高屈折率差サブ波長回折格子をGaN系デバイス表面へ実装し、高機能でかつコンパクトな可視~紫外領域におけるメタ表面型GaN系光デバイスを開発することである。 本年度は、GaN系サブ波長回折格子を用いた400nm帯動作高感度屈折率センサーおよび変調サブ波長周期構造を用いた集光機能を有する発光ダイオードについて検討した。 前者は、最終的にLED一体化素子を念頭に、非常に安定で測定環境を選ばない、水での光吸収が少ない青紫色光(415nm)で動作し高屈折率(屈折率>2)サブ波長回折格子の構成が可能、という観点からGaNを材料として選定した。GaN系LED表面に周期200nm、空隙部180nm、高さ150nmのGaNサブ波長回折格子をドライエッチングにより作製した。回折格子中には複数の光の固有モード間が存在する。励起される固有モードの位相、振幅は構造周囲の屈折率に依存し、ごくわずかな屈折率変化に対してもモード間の干渉状態は敏感に反応し、高感度に屈折率を検出できる。構造に対し415nmの光を垂直入射することにより、周囲屈折率を1.333から1.346に変化させたとき、反射率が20.6%減少する、すなわち、単位屈折率(RIU)あたり1580%RIUの反射強度変化を有する光センサーを実証した。 後者は、集光機能を有する紫外LEDに関するものである。従来のレンズ透過率は波長400nmにおいて、その大きな吸収係数のため10%程度である。本研究では、LED表面に変調サブ波長周期構造を用いた高透過率集光LEDを検討した。高屈折率材料と空隙部の屈折率差および変調サブ波長周期構造を用いることによる構造内の固有モード位相差を制御することにより、LED表面から20ミクロンの位置で1.4ミクロン幅で集光でき、かつ、20~30%の高透過率を実現できることを理論的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した研究方法にしたがって、ほぼ予定通りの理論的検討が実施でき、LED応用デバイス応用に向けた試作デバイスも作製できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した方針にしたがって、サブ波長周期構造を用いた低損失かつコンパクトなメタ表面型GaN系光デバイスの開発を行う予定である。具体的には、前年度までに検討した構造設計をもとに、電子線リソグラフィー法を用いて実際のデバイスを作製する。試作デバイスに対して、光学的評価(透過率、偏向特性(角度分布)、偏光度など)を実施し、本デバイスの性能を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画において予想したよりも少ない素子試作回数で実験計画を遂行できたこと、成果発表した一部の論文投稿費が無料であったこと、成果発表を予定していた全国大会が感染症流行により中止となり旅費の使用が少なくなったため、研究費を次年度に繰り越すことになった。しかしながら、最終目標とする実デバイス作製にはかなりの困難が予想されることが明らかになっているため、翌年度経費と合わせて研究経費(物品費及び旅費)として利用する予定である。
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Research Products
(8 results)