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2018 Fiscal Year Research-status Report

自然水環境中の細菌由来タンパク質分解酵素による腸管系ウイルスの不活化メカニズム

Research Project

Project/Area Number 18K04403
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

稲葉 愛美  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 客員共同研究員 (60749448)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords腸管系ウイルス / 細菌由来細胞外タンパク質分解酵素 / 不活化メカニズム
Outline of Annual Research Achievements

水中の腸管系ウイルスの感染リスクの評価を確立させるために、感染性ウイルスの存在を評価する必要がある。そのためには、水環境中に存在するウイルスの不活化に影響する要因を正確に解明する必要がある。これまでは、UVや消毒など、物理的、化学的要因に着目し、ウイルスの不活化を評価したものに限られていた。しかし、水環境中のウイルス不活化要因に細胞外タンパク質分解酵素が関与している可能性が予測される。しかし、不活化に影響する酵素の種類や放出する微生物に関する知見はない。ウイルスの不活化に影響する酵素活性の種類、その様な活性をもつ酵素を放出する細菌、水環境、季節性などの差異によるウイルス不活化の違いなどを明らかにする必要がある。そこで、実際の酵素反応による不活化実験を行う前に、in silicoによる解析を行った。データベース上に既に報告されている対象ウイルスのアミノ酸配列情報に対し、既存のエンドペプチダーゼの切断活性による切断部位が存在するかの解析を行った。ExPASyのPeptideCutter(https://web.expasy.org/peptide_cutter/)による解析の結果、多いものでは数百の切断部位が検出された。このことから、既存のタンパク質分解酵素の活性により、カプシドタンパク質が分解される可能性が高いことが示唆された。また、切断部位数の差から、ウイルス種ごとに酵素により不活化影響が異なる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究代表者の不測の病気により、研究全般の実行が困難な状況にあり、療養に専念したため当該年度の実験計画の遂行が遅れた。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度に実行予定であった研究内容に関して、遂行する。まず市販の単一精製されたタンパク質分解酵素により実際に対象ウイルスが分解され、不活化されるかを確認する。また、実際のカプシドタンパク質の切断部位をLC/MSにより解析し、in silicoにより解析された予測切断部位と一致するのか比較解析を行う。さらに、2年目に予定していた、細菌株から放出される細胞外タンパク質分解酵素によるウイルス不活化実験を順次遂行する。

Causes of Carryover

研究代表者の不測の病気により、実験の遂行が困難であったため、in silicoによる解析で予測データの蓄積に努めた。そのため、当該年度に実験で使用する予定であった予算が使用されなかった。しかし、予測データからも示唆されるように、計画した研究の展望は確かなものであり、当該年度の経費を翌年度分とあわせて請求し、予定研究項目の通り遂行する予定である。

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Published: 2019-12-27  

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