2018 Fiscal Year Research-status Report
居住環境に及ぼす鉄道騒音と振動の複合効果に関する研究
Project/Area Number |
18K04472
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森原 崇 石川工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (10413767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 隆太 日本大学, 理工学部, 教授 (40339255)
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 騒音 / 振動 / 新幹線鉄道 / 実測調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、鉄道から発生する騒音と振動が生活環境にどのように影響するのか定量 的な関係性を検討することにより、鉄道沿線の居住環境で生じる影響の予測、実施すべき 具体的な対策の知見を得ることである。本年度は,北陸新幹線沿線住宅での実測調査により,北陸新幹線鉄道による住宅内での騒音および振動データを得ることを目的とした。2016年の沿線住宅を対象とした社会調査から追加調査が可能な住宅のうち,線路から住宅までの距離が50m以内の住宅を抽出・アポイントメントをとり,6件の住宅内において実測調査が可能となった。2018年10月と11月に実測調査を行なった。住宅内では振動レベル計とサウンドレベルメータに接続したデータレコーダにより原波形を記録する形とした。 周波数の平均値を見ると、全体的に10Hz付近の周波数が卓越している箇所が多い結果であった。住宅によって住宅内で増幅する振動加速度レベルは異なり,傾向として鉛直方向よりも水平方向に増幅が大きくなる結果が見られた。中には20dB以上の増幅が見られる周波数帯域も存在することを確認した。また,振動の増幅は新幹線からの距離や車速にはあまり関係せず、各住宅の振動対策によって変わることが本調査により確認できた。また,予備実験として,実測データを使って騒音と振動の複合曝露による評価実験を行なった。これまでの実験では屋外で得られたデータを主に使用してきたため,今回の実験はより実環境に近い形での実験となる。今回は音刺激は2ch,振動刺激は鉛直方向だけという条件とした。音および振動の再現はうまく行えたため,次年度以降に本実験として2軸方向の同時曝露評価実験を行う目処がついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に実測調査によるデータ収集を計画していた。 当初の予定では,10件分程度のデータを得ることを予定していたが,対象住宅の地域において鉄道会社による実測調査が入り,依頼した回答者から予想以上の調査拒否となってしまったため,本年度は6件のデータ収集となった。 データ数は少ないが,実験に必要な条件を含むデータは得られたため,概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた実測調査データを元に,本校の実験設備で評価実験を行う。得るべき実験成果は騒音と振動の複合効果が発生する条件を見出すことであり,これまで行なってきた鉛直のみの振動曝露に加えて,鉛直と水平の2軸振動曝露を条件に実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者の物品購入が予定よりわずかに少なく,調査および実験時に学生へ謝金として支払う予定金額を学生の旅費に当てられたことで,旅費の金額が当初の予定より多く,人件費の金額が少ない結果であった。 次年度は本実験が開始されるため,学生への謝金,人件費が増えるものと思われる。また,成果報告として国際学会での発表を計画しており,旅費の使用は予定通りか多少多くなる見込みである。
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