2018 Fiscal Year Research-status Report
加リン酸分解酵素が関与する酸化的多糖分解経路の解明
Project/Area Number |
18K05387
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
仁平 高則 新潟大学, 農学部, 特定研究支援者 (80615469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホスホリラーゼ / ライブラリー / 酸性オリゴ糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
澱粉やキチンなどの糖質の分解・代謝は,加水分解酵素の反応を中心に考えられてきたが,セルロース分解同様,酸化還元酵素による酸化的分解反応が関与する可能性が示唆されている。本研究では,この新規代謝経路の全貌を解明するために,酸化的分解の中間産物である酸性オリゴ糖を加リン酸分解する酵素ホスホリラーゼを,ゲノム情報やメタゲノムライブラリーを利用し網羅的に探索し,酵素学的,速度論的および構造学的特性の解明を目指す。 当年度は,(1)ゲノムライブラリーおよびメタゲノムライブラリー作製,(2)ゲノム情報を基盤とした網羅的なホスホリラーゼの探索,(3)酸性オリゴ糖の調製,(4)高感度糖1-リン酸定量法の確立について,当初予定通り検討を加えた。その結果,ホスホリラーゼ遺伝子を多く持つ微生物のゲノムDNAおよび環境中から回収したヘテロなゲノムDNAを断片化,クローン化することでゲノムライブラリーおよびメタゲノムライブラリーが作製できた。また,ゲノム情報を基に網羅的にホスホリラーゼ遺伝子を探索・クローニングした結果,数種の機能未知タンパク質の取得に至った。基質となる酸性オリゴ糖の調製は,各種オリゴ糖の調製,オリゴ糖の酸化の手順で行なうが,現在各種オリゴ糖の調製が完了している。糖1-リン酸の高感度定量法の検討については,予算減額により機材調達が不可となったため,反応システムの再構築による新たな定量法の考案を行なうに留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,ライブラリーからのスクリーニング,既知遺伝子情報からのクローニングにより,酸性オリゴ糖に作用するこれまで知られていないホスホリラーゼの発見を目指している。当年度は,(1)ゲノムライブラリーおよびメタゲノムライブラリー作製,(2)ゲノム情報を基盤とした網羅的なホスホリラーゼの探索,(3)酸性オリゴ糖の調製,(4)高感度糖1-リン酸定量法の確立について,当初予定通り検討を加えた。 (1)では,ホスホリラーゼ遺伝子を多く持つ微生物のゲノムDNAおよび環境中から回収したヘテロなゲノムDNAを断片化,クローン化することでゲノムライブラリーおよびメタゲノムライブラリーが作製できた。ライブラリー調製手法が確立したことから,スクリーニングステップへの移行,更なるライブラリーの拡大が可能となった。(2)では,ゲノム情報を基に網羅的にホスホリラーゼ遺伝子を探索・クローニングした結果,酸性オリゴ糖に対して作用するものかは不明であるものの数種の機能未知タンパク質の取得に至った。(3)では,基質となる酸性オリゴ糖の調製方法として各種オリゴ糖の調製,オリゴ糖の酸化のステップのうち,各種オリゴ糖の調製が完了しており,現在酸化ステップの条件検討中である。(4)では,予算減額により機材調達が不可となったため,反応システムの再構築による新たな定量法の考案を行なうに留まっており,若干遅れが生じている。全体として,おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定に準拠し,当年度調製したライブラリーを用いた酵素スクリーニング,遺伝子情報から得られた機能未知酵素遺伝子によってコードされるタンパク質の酵素学的・速度論的・構造学的解析を順次遂行する。
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