2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of environmental dynamics of Campylobacter and development of a seamless foodborne disease control scheme
Project/Area Number |
18K05535
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 渉 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70393262)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カンピロバクター / ポリクローナル抗体 / モノクローナル抗体 / 野鳥 / 環境水 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境水および野鳥の糞便中に微量に存在するカンピロバクター・ジェジュニを培養法に依存することなく、高感度に濃縮検出するための技術開発を行った。濃縮検出のために、2種類の抗原検出ELISA用ポリクローナル抗体(Bio-Rad社製、Invitrogen社製)と2種類のイミュノクロマト用モノクローナル抗体(自家製)をそれぞれ、市販のプロテインGコート磁気ビーズ(MBL社製)に感作させ、免疫磁気ビーズを作製した。
PBS(環境水を想定)、カモ糞便(カンピロバクター・ジェジュニ陰性を確認済)乳剤の2種類のサンプルにカンピロバクター・ジェジュニ (一夜微好気培養の新鮮菌ATCC292111を使用)を添加したうえで、濃縮処理前後のサンプルをそれぞれ既報のリアルタイムPCR検出により比較した。濃縮前のサンプルについては、PBSは遠心無し、カモ糞便乳剤は遠心無し、および900xg・2分間遠心後上清の両方を自動核酸抽出機(magLEAD 6gC, P SS社製)のカートリッジカラム( magDEA Dx SV, PSS社製)にて200ulを50ulに溶出した(4倍濃縮)。同時に各々のサンプル10mlを免疫磁気ビーズ処理後にSDBS加熱抽出によって、10ulに濃縮検出した(1000倍濃縮)。
その結果、いずれの抗体を用いても、濃縮処理後にCt値の減少は確認されず、濃縮効果は得られなかった。市販ポリクローナル抗体においては、Bio-Rad社製では10以上、Invitrogen社製では6以上、Ct値の増加が確認され、菌体捕捉力が低いことが分かった。2種類の自家製モノクローナル抗体においては、いずれも検出限界を下回りCt値は測定されなかったことから、菌体捕捉力が極めて低いことが推測された。培養法に依存することなく、サンプル中の微量なカンピロバクター・ジェジュニを高感度に検出するためには検出系のさらなる改善が必要であることが分かった。
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