2022 Fiscal Year Annual Research Report
Genome-based approaches for monitoring and controlling neurotoxin-producing cyanobacteria in lakes
Project/Area Number |
18K05785
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
程木 義邦 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (60632122)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 虎東 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (20262686)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | シアノバクテリア / シアノトキシン / 神経毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
湖沼でアオコを形成するシアノバクテリアの多くの種がシアノトキシンと呼ばれる肝臓毒や神経毒を生産する株を含む。日本には神毒毒を生産するシアノバクテリアのCuspidothrix issatschenkoiが広く分布している。しかし、本種については、世界的にも研究事例が少ない。2020年度までは、本種のゲノム解析を中心に 行ってきた。その結果、RM-6株のゲノムから、47個のtRNA遺伝子および5セットのrRNA遺伝子を含む4,328個のコード配列(CDS) が確認された。ゲノムのG + C 含量は37.7%でCRISPRの座位は12個 出された。また、二次代謝産物生合成遺伝子として、ホモアナトキシン-aのほかランチジン、シアノバクチン合成遺伝子が出された。また、RM-6のゲノムから多くのトランスポゾンに関する遺伝子が検出された。2021年度から2022年度は、愛知県犬山市の複数のため池を対象として定期調査を行った。遺伝子解析用のDNAサンプルの採取とともに、栄養塩等の水質、植物プランクトン群集の解析も併せて行った。また、これまでに決定したC. issatschenkoiのゲノム情報より、解析に使用する遺伝子領域の検討を行った。しかし、株ごとの変異が大きく、無毒株でもアナトキシンa合成遺伝子を不完全に保持している系統もあり、有毒株のモニタリングに有効な遺伝子座の特定までには至らなかった。また、モニタリングを対象とした貯水池より、これまで本州で確認されていなかったシアノトキシン2種の合成遺伝子が検出された。2013年に本州の複数の湖沼を対象とした研究ではこれらのシアノトキシンは検出されていないことから、この10年の間に新たな有毒株の移入が生じている可能性が示唆された。
|