2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ant-mimicking effects increase species diversity in Myrmarachne spiders
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18K06386
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
橋本 佳明 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任教授 (50254454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市岡 孝朗 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40252283)
遠藤 知二 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (60289030)
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (70435535)
山崎 健史 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (90746786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生物多様性 / 擬態 / 熱帯雨林 / アリ類 / アリグモ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究目的はアリグモ(ハエトリグモ科)の正確なアリ擬態には,1)非擬態ハエトリグモからの形態変化によるコストが伴うが,2)擬態モデルのアリ種からの攻撃を回避し,そのなわばり内を生息や採餌場所として利用できるようになる利益が有り,3)アリグモがアリのなわばり内を生息場所とすることが,アリグモの生殖隔離機構として多様化を促進しているという仮説を検証することである.最終年度も,新型コロナの影響を受けて調査やデータの収集は完全に実施できなかっため,これまでに収集できたデータの解析を中心に行った。その結果,1)アリグモの正確なアリ擬態が,非擬態ハエトリグモに比べて,その跳躍力や捕食能力に大きなコストを課していること,(Scientific reports 10, no. 1 (2020): 1-11)2)アリグモの観察動画を,ディープラーニングによるマーカーレス動物姿勢解析(Deeplabcut)の手法を用いて解析を行ない,アリグモが擬態モデルと非擬態モデルのアリ種を識別して,非擬態モデルに対しては威嚇行動や逃避行動を示すが,擬態モデルに対して,その近くに留まる行動を示すこと(生態学会と日本蜘蛛学会で発表),3)ミトコンドリアDNA(CO1、16S)と核DNA(28S)の領域を用いてアリグモ属の系統解析を行い,特定のアリ種に対する正確なアリ擬態はアリグモ属のクレード間で複数回、平行的に進化してきたこと(日本蜘蛛学会で発表)を明らかにした。これらの結果は,我々の仮説を支持するものであると考えている。
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