2018 Fiscal Year Research-status Report
キラリティー伝播と遠隔位電子効果を設計基盤とする有機分子触媒の創生
Project/Area Number |
18K06579
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山田 健一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (00335184)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不斉触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、すでに開発したキラルカルベン配位子の配位子設計概念を応用した新規キラル有機分子触媒の創生である。遠隔位での電子チューニングと近接位への官能基導入が基本戦略である。本目的を達成するため実験を行い、本年度は以下の成果を得た。 (1)目的とするキラル有機分子触媒の重要な出発物質であるキラル1,2-ジアミン化合物の合成は再現性に問題があったが、再現性良く合成する方法を見出した。(2)トリアゾリウム型カルベン触媒を用いる不斉アシル化反応を利用して、ヒドロキシチオアミド類の速度論的光学分割に成功した。 (3)トリアゾリウム型カルベンの遠隔位に電子求引性置換基を導入することによって、芳香族アルデヒド同士のベンゾイン縮合の反応速度とエナンチオ選択性が向上することを見出した。(4)キラル第四級アンモニウム塩触媒を用いるスルホニルアルキノールの不斉環化反応において、キラル第四級アンモニウム塩に電子求引性置換基を導入することによってエナンチオ選択性を向上することに成功した。(5)キラルリン酸触媒を用いるイミノリン酸へのインドールの不斉付加反応において期待の持てる結果を得た。(6)キラルパラジウム触媒を用いるイミノアミドへのアリールボロン酸の不斉付加反応において期待の持てる結果を得た。(7)アミノ酸触媒を用いるイミノアミドへのアルデヒドの不斉マンニッヒ型付加反応において期待の持てる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とするキラル有機分子触媒の重要な出発物質であるキラル1,2-ジアミン化合物の合成の再現性に問題があったため、当初の予定通りに触媒を合成することができなかった。幸い年度内に再現性良く合成する方法を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定よりやや遅れてはいるが、引き続き計画に従って研究を押し進めていく。
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Research Products
(24 results)