2018 Fiscal Year Research-status Report
「眩しさ」を生みだす痛み成分の神経機構に関する研究
Project/Area Number |
18K06884
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
田代 晃正 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 助教 (60598118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 宏之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 助教 (20535190)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | メラノプシン / 三叉神経 / 網膜神経節細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は強い光が眼に入ると、副交感神経反射により眼球内の血管拡張が促されること、さらにその血管拡張が侵害刺激となり三叉神経を刺激し、不快感(眩しさ)を誘発していることを明らかにしてきた(三叉神経ー副交感神経回路の活性)。一方、メラノプシン発現網膜神経節細胞 (ipRGC: intrinsically photosensitive retinal ganglion cell) は瞳孔反射や概日リズムの形成といった非視覚情報を担っている。 本年度は、「眩しさ」を誘発する光刺激に伴う三叉神経ー副交感神経回路の活性化に対するメラノプシン発現網膜神経節細胞の関与を調べた。in vivo 単一細胞記録法により、光刺激により興奮する侵害受容ニューロンを三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)より記録した。この光刺激による侵害受容ニューロンの興奮へのipRGCの興奮の関与を調べるため、メラノプシンアンタゴニスト(オプシナミド)を静脈投与し、侵害受容ニューロンの興奮性の変化を観察した。その結果、光刺激により誘発される侵害受容ニューロンの興奮はオプシナミドを静脈内投与することで、著しく減少した。また光刺激により発現するFos陽性細胞数を免疫組織化学法により解析。オプシナミド投与によりVc領域においてFos陽性細胞数の著しい減少が観察された。 これらの結果より「眩しさ」を符号化するVcの興奮はipRGCのメラノプシンの活性化がスイッチになっていることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光刺激による侵害受容ニューロンの興奮へのipRGCの関与を示唆するデータを収集することができた。それと同時に軽度頭部外傷モデルを用いた「羞明モデル」の開発も進めることが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
「眩しさ」を評価する行動学的実験(瞬きの筋電図による評価)を行い、電気生理や免疫組織化学の結果と比較検討する。 ipRGCを選択的に興奮させるために刺激光の波長を変化させ、侵害受容ニューロンの興奮性の変調を観察する。 また、軽度頭部外傷モデルを用いた羞明モデルを確立する。
|
Causes of Carryover |
海外学会参加費を次年度以降にまわしたため。 旅費、及び電気生理機材のカスタマイズに使用予定。
|
Research Products
(2 results)