2020 Fiscal Year Annual Research Report
Role of histone demethylase in breast cancer progression and finding new therapeutic approaches for breast cancer
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18K06941
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
古室 暁義 近畿大学, 医学部, 講師 (50512274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Histone demethylase / 乳がん / エピジェネティクス / 発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がんの悪性化において、Histone demethylaseであるUtxが与える影響は、依然として不明な部分が多い。本課題研究のこれまでの結果から、Utx欠損とMMTV-PyMTの複合変異を持つ乳がん発症マウス (Utx KO; PyMTマウス)では、①腫瘍増殖や肺転移が促進し、②Utx KO; PyMTマウス由来の乳がん細胞を同系FVBマウスへ同所移植を行うと、PyMTマウス由来の乳がん細胞よりも腫瘍形成能が促進していた。さらに、③Utx KO; PyMTマウス由来の乳がんオルガノイド樹立して、FACS解析を行ったところ、Basal typeの細胞が増えていることが分かった。そして、④乳がんオルガノイドをI型コラーゲン内に包埋すると浸潤形態を強く伴いながら増殖したが、この浸潤形態はBET阻害剤であるJQ1で完全に阻害されることを見出した。次に、⑤RNA-Seqの発現解析からEMTや乳がんの悪性化にかかわる様々な因子についての関与が明らかになった。このうち、Basal-like乳がんにおいて高発現しており転移を促進する原因因子として報告がある転写因子Xについて着目したところ、この転写因子Xの発現には、UtxとBrd4によるスーパーエンハンサー領域での発現制御が起きることを示唆する新たな結果を得た。 また、Kdm4b欠損とMMTV-PyMTの複合変異を持つ乳がん発症マウス(Kdm4b KO; PyMTマウス)由来の乳がん細胞の同所移植では、Luminal type様の乳がんが発症し、Kdm4bが欠損した乳がん細胞のpopulationは減少傾向にあることが示唆された。
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Research Products
(6 results)