2020 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌のリンパ節前転移ニッチ形成に関与するmicroRNAの探索
Project/Area Number |
18K07210
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
金尾 健人 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20327620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 豊徳 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70627645)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前転移ニッチ / エクソソーム / microRNA / リンパ節転移 / 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、癌細胞が分泌するエクソソームに内包される様々なタンパク質、mRNA、miRNAが原発巣と転移巣の間のコミュニケーションツールとして、癌の転移に重要な役割を担っていることが明らかとなってきた。特に肺転移や骨転移に関しては、原発巣から分泌されるエクソソームが将来の転移先に取り込まれ、内包するタンパク質やmiRNAによって、がん転移に適するニッチ(前転移ニッチ)を形成していることが明らかになっている。 このようなエクソソーム内情報伝達物質と前転移ニッチに関する研究は主に血行性転移である骨転移や肺転移を対象に研究が進んできた。一方、エクソソームはリンパ液中にも分泌されることが示されているものの、リンパ液の採取が容易でないこともあり、リンパ節転移における前転移ニッチに関する研究はほとんど進んでおらず、リンパ節前転移ニッチに関与するエクソソーム内情報伝達物質も報告されていない。 本研究では前立腺癌において、リンパ節の前転移ニッチ形成に関与するmiRNAの探索を行う。さらに、原発巣や血液中のエクソソーム内に存在するmiRNAの探索も 同時に行うことによって、リンパ節前転移ニッチに関与するmiRNAが、原発巣や血液サンプルから検出可能かどうかを検討し、リンパ節の前転移ニッチ形成のバイオマーカーとなり得るか検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた次世代シーケンサーのIon Torrentの導入が遅れたため、原発巣及び切除リンパ節サンプルのmiRNAシーケンスを外注で行うことになった。また、2019年4月から研究代表者の所属が愛知医科大学から埼玉医科大学に変更となったことから、当初予定していたロボット手術を用いたリンパ節サンプルの摘出を腹腔鏡手術で行うなど大幅な研究方法の見直しが必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度より、実験助手との協力体制が確立され、腹腔鏡下前立腺癌全摘除術における原発巣と切除リンパ節検体からのmiRNAの抽出、原発巣及び切除リンパ節サンプルのmiRNAシーケンス、エクソソームからのmiRNA抽出、エクソソームから抽出されたmiRNAシーケンスが行えるようになった。本年度中に結果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた次世代シーケンサーのIon Torrentの導入が遅れたため、原発巣及び切除リンパ節サンプルのmiRNAシーケンスを外注で行うことになった。また、2019年4月から研究代表者の所属が愛知医科大学から埼玉医科大学に変更となったことから、当初予定していたロボット手術を用いたリンパ節サンプルの摘出を腹腔鏡手術で行うなど大幅な研究方法の見直しが必要になった。 昨年度より、実験助手との協力体制が確立され、腹腔鏡下前立腺癌全摘除術における原発巣と切除リンパ節検体からのmiRNAの抽出、原発巣及び切除リンパ節サンプルのmiRNAシーケンス、エクソソームからのmiRNA抽出、エクソソームから抽出されたmiRNAシーケンスが行えるようになった。本年度中当該助成金を使用して結果をまとめる予定である。
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