2018 Fiscal Year Research-status Report
次世代型テロメスキャンを用いた間葉系循環腫瘍細胞の新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
18K07303
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
十合 晋作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 循環腫瘍細胞 / 肺癌 / テロメスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
テロメススキャンによる高感度CTC検出の条件検討で、高感度ハイスループットのCTC検出法を独自の方法で開発した。結果:Stage0-I (n=28)早期肺癌患者中 CTC陽性率(2≧3ml/末梢血)82.6%CEA(5>)陽性率 7.1%で、CTC-/CEA+は0人。よって検診測定の血清腫瘍マーカーのCEAより早期に癌を発見可能な高感度測定を達成した。本法は、現在特許申請準備中である。また、CTC表現型解析では、EMT-CTCが悪性度が高く、治療抵抗性につながる報告をしたことから、あたらな間葉系CTC特異的間葉系バイオマーカーの探索のため、様々な間葉系抗体等で免疫染色を行ったが、Vimentinが最終的に信頼性の高いマーカーであることに帰着した。更に、近年、免疫チェックポイント阻害剤が肺癌での有効性が注目されているが、PD-L1-CTC、EMT-CTCの同時検出をVimentinとPD-L1の同時染色により検出する系を構築した。化学療法直前、投与後1コース後に採血してCTC数を測定する。実際のがん治療の奏効とCTCの経時変化の解析から抗がん剤の奏効予測、再発/耐性予測バイオマーカーとしての有用性を検証する前向き臨床試験倫理申請準備に着手した。本試験では、前記のCTC検出法を用いPD-L1-EMT-CTCのモニタリングを行える準備が整っている。 研究代表者の十合はオンコリスバイオファーマ社との共同研究から、CTCからFISH法によりALK阻害剤が有効な肺がんのDriver変異であるEML4-ALK遺伝子変異陽性患者を検出することが可能となり、ALK阻害剤投与における非侵襲的な液体生検でテロメスキャンF35によるCTCで評価可能であることを論文報告した(Oncotarget. 2018.Watanabe J, Togo S. etal)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テロメススキャンによる高感度CTC検出の条件検討で、消耗品の予算が大幅に上回った結果、前倒し予算で、高感度ハイスループットのCTC検出法を独自の方法で開発した。結果、最も重要な悪性度の高いCTCの表現型として、PD-L1-EMT-CTCのモニタリングを行える準備が整っている。従来にない、超早期肺癌からの、信頼性・再現性の高い高感度CTC検出を達成した。特許申請準備中の本法を用い、現在倫理申請準備中の医師前向き臨床試験に導入可能、実現化に向けて進んでいる。CTCのがん遺伝子変異が、EML4-ALK変異において、FISH法で検出可能となり、本研究費支援によって論文報告を行って、研究成果を蓄積した。
Clinical features of squamous cell lung cancer with anaplastic lymphoma kinase (ALK)-rearrangement: a retrospective analysis and review. Watanabe J, Togo S, Sumiyoshi I, Namba Y, Suina K, Mizuno T, Kadoya K, Motomura H, Iwai M, Nagaoka T, Sasaki S, Hayashi T, Uekusa T, Abe K, Urata Y, Sakurai F, Mizuguchi H, Kato S, Takahashi K. Oncotarget. 2018 May 8;9(35):24000-24013.
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Strategy for Future Research Activity |
テロメスキャンを用い,肺癌の特にEMT-CTCに加え、今回検出可能となったPD-L1-CTCにも着目し臨床バイオマーカーの有用性を立証する。進行期肺がん患者を対象に、化学療法や分子標的治療薬、特に免疫チェックポイント阻害剤の投与直前、投与後1、2コース後で、実際の治療の奏効とEMT-CTCの経時変化の解析から抗がん剤の奏効予測、再発/耐性予測バイオマーカーとしての有用性を検証する。この結果を基にテロメキャンによるCTC測定結果(感度/特異度)から、治療早期奏効・耐性・再発予測マーカーとしての有用性を確認する。信頼性の高い、より鋭意敏な肺がん臨床マーカー診断法としての位地付けを確認する。CTCの表現型解析では、近年、免疫チェックポイント阻害剤が肺癌での有効性が注目されているが、EMTとPD-L1が相関して関連性が報告されている。我々は、免疫チェックポイント阻害剤の奏効に関連するPDL-1タンパクのCTC上の発現も解析した。PD-L1-CTC、EMT-CTCの同時検出をVimentinとPD-L1の同時染色により検出する系を構築した。 特に治療抵抗性で悪性度の高いPD-L1-EMT-CTCにおけるこれらバイオマーカーの表現型に着目し、がん治療により有益な個別化治療に直結する臨床メーカーとしての性能検証を進めていく。また、CTCのCancerパネルなどを用いCTCに特異的に発現する細胞表面マーカーやがん関連遺伝子変異解析を行い、高感度に検出される臨床応用に向けたCTC自身の新規腫瘍マーカーの探索を進め、EMT-CTCとの関連を解析する。将来的には、がん治療により有益な個別化治療に直結するコンパニオン診断簡易測定Kit開発につながる基盤研究を達成目標とする。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] 1.Clinical features of squamous cell lung cancer with anaplastic lymphoma kinase (ALK)-rearrangement: a retrospective analysis and review.2018
Author(s)
Watanabe J, Togo S, Sumiyoshi I, Namba Y, Suina K, Mizuno T, Kadoya K, Motomura H, Iwai M, Nagaoka T, Sasaki S, Hayashi T, Uekusa T, Abe K, Urata Y, Sakurai F, Mizuguchi H, Kato S, Takahashi K.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 9 (35)
Pages: 24000-24013
DOI
Peer Reviewed / Open Access