2020 Fiscal Year Research-status Report
次世代型テロメスキャンを用いた間葉系循環腫瘍細胞の新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
18K07303
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
十合 晋作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血中循環腫瘍細胞 / 治療奏功予測バイオマーカー / 早期癌判定バイオマーカー / 非侵襲的高感度測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん生体外ウイルス診断薬「テロメスキャンOBP-401」を用いて、血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell : CTC)をハイスループットかつ高感度に検出可能な測定システムを開発し、がん早期診断や治療奏功予測への応用を目指している。2019年度には、非小細胞肺がん患者の3mLの血液から生きたCTCの高効率な濃縮方法を開発し、特許出願を行った(特願2019-130412)。本システムによって、早期肺がん症例(Stage 0~)からも85%以上の高感度検出に成功している。2020年度には、非小細胞肺がん患者の抗癌剤及び免疫チェックポイント阻害剤治療前後における、CTC数の推移のモニタリングを行った。その結果、CTC数の推移と治療奏功の間に相関がみられた。特に注目するべきことは、投与1コース後の採血のタイミングで相関がみられたことである。この結果から、本システムによって、早期の治療奏効予測が可能になることが期待される。また、悪性度が高く従来法では検出が困難であった上皮間葉転換(epithelial mesenchymal transition:EMT)を起こしたCTC(EMT-CTC)の検出のためにEMTマーカーであるVimentinや、免疫チェックポイント阻害剤の奏功に関連するPD-L1の免疫染色を行った。PD-L1陽性のCTC数の推移も、投与1コース後の採血のタイミングで治療奏功との間に相関がみられた。現段階では、Vimentin陽性のCTCが検出された症例数は少ないが、PD症例でEMT-CTC数が増加することが確認されている。2020年2月より開始した前向き臨床試験において、現在CTC測定実施症例数を蓄積しており、2021年12月31日まで行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺癌患者の末梢血採取の頻度がCOVID-19の影響により当初予測していたペースよりも遅くなったため、実施症例数の蓄積にやや遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状のCOVID-19蔓延の終息に伴い、CTC測定症例を増やし、実験の加速を図る。テロメスキャンOBP-401を用い、肺癌の治療前後のCTC数の推移から、治療奏功予測マーカーとなりえるか、実施症例を増やしデータ蓄積していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により当初予測していた検体収集のペースよりも遅くなったため。
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Research Products
(1 results)