2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K07701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (80261361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄田 育宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室, 主任研究員 (60374716)
唐 明輝 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80794156)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRI / oxygen / paramagnetism / relaxation |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では昨年度までに、酸素分子によるMRI信号の横緩和時間短縮効果は細胞内のように粘度の高い状態では著しく増強されることを明らかにし、さらに、安静時神経活動に伴う細胞内酸素濃度揺らぎが大脳皮質拡散強調MR信号に現れることを示した。その際、拡散強調撮像のmotion probing gradient(MPG)では抑制されないその印加方向に直交する血流成分の影響は無視できないことも明らかになった。本年度は、最初に拡散強調fMRIを試行した研究(Le Bihan, PNAS 2006)と同様の光刺激(flickering dartboard)を用いて、MPG方向をX, Y, Zそれぞれに設定して3つの拡散強調fMRI撮像を実施した。得られた3つの時系列画像データセットから、各ボクセルの時系列平均信号強度が最小となるデータのみを抽出して、新たに「最小」時系列画像データセットを作成してfMRIデータ解析を実施し賦活部位を描出した。また、同様に「最大」時系列画像データセットも作成し賦活部位を描出した。血流成分が最も抑制されている「最小」時系列画像データセットの賦活部位の信号変化は、「最大」時系列画像データのものよりも光刺激開始直後からの速い立ち上がりを示し、賦活に伴う速い細胞内酸素消費がMRI信号に現れたものと解釈できる。また、ボクセルサイズを高詳細化するほど速い信号変化が現れ、賦活している神経細胞群が広く用いられているボクセルサイズ(3mm×3mm×3mm)よりも狭い領域であることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響で必要とする被験者の確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
被検者が少ないながらも、fMRIデータ解析におけるhemodynamic response functionの工夫がポイントであることが判明しつつある。今後はこのポイントに集中して取り組み、期待している成果(賦活に伴う神経細胞内の速い酸素濃度変化を敏感に捉える)を目指したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のため、予定していた実験被検者の募集ができず、また、研究分担者との打ち合わせもそれぞれの施設で行う予定であったが実施できなかった。これらの理由で次年度使用額が生じた。2022年度は、未実施の被検者を対象とする実験を行い、対面での詳細な研究打ち合わせも実施する予定である。
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Research Products
(2 results)