2018 Fiscal Year Research-status Report
Compressed Sensing for Brain and Neck MR Imaging
Project/Area Number |
18K07711
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伏見 育崇 京都大学, 医学研究科, 助教 (90639014)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 圧縮センシング / MRI / 頸動脈 / 脳血管 / アーティファクト |
Outline of Annual Research Achievements |
広範囲撮影において、高い空間分解能の圧縮センシングMRI撮影の臨床的診断能を検討するにあたり、下記の項目に着目して研究を行った。 (1)脳動静脈奇形を対象として、圧縮センシングを応用し撮影時間短縮の追求を行った。また、広範囲撮影の圧縮センシング併用の高解像度の脳MR angiographyにおいて、正しく病態が評価できるかどうかを検討した。 (2)圧縮センシングによる体動アーチファクトの除去の検討として、頸動脈MR angiographyにおける嚥下運動や呼吸、動脈拍動などの生理的な動きによるアーチファクトについてデータ収集を行った。生理的な動きが主体の体動が多い場合は、圧縮センシング撮影を行うことにより、撮影時間短縮による画質改善が得られた。 (3)圧縮センシングによる頸動脈血管壁のプラーク・イメージングについては、出血を含んだ状態である不安定プラークの検出を中心にデータ収集を行った。頸動脈は、撮影中の生理的な動きによるアーチファクトが生じやすいが、圧縮センシングによるノイズ除去効果により血管内の信号を除去し、血管壁の動脈硬化の描出能が向上することを見出した。また、撮影時間短縮により画質改善が得られた。 (4)圧縮センシングによる使用造影剤の減量に着目し、造影MR血管撮影のデータ収集を行った。造影剤投与前後のデータを差分することにより、スパース性が向上し、バックグラウンドの画素値を低下させることにより、血管の描出が向上した。造影剤の減量の程度を詳細に検討する必要があるが、有用なアプローチと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)広範囲撮影の圧縮センシング併用の高解像度の脳MR angiographyにおいて、動静脈奇形などの血管描出は良好であった。(2)生理的な動きが主体の体動が多い場合は、圧縮センシング撮影を行うことにより、撮影時間短縮による画質改善が得られ、現在データをまとめている。(3)圧縮センシングによる頸動脈血管壁のプラーク・イメージングについては、ノイズ除去効果により血管内の信号を除去し、血管壁の動脈硬化の描出能が向上し、撮影時間短縮により画質改善が得られたため、結果をまとめ、論文投稿を行った。(4)圧縮センシングによる使用造影剤の減量に着目し、造影MR血管撮影のデータ収集を行った。造影剤投与前後のデータを差分することにより、スパース性が向上し、バックグラウンドの画素値を低下させることにより、血管の描出が向上することが観察できたため、研究をより推進できると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)脳動静脈奇形を対象とした圧縮センシング併用の高解像度の脳MR angiographyにおいて、正しく病態が評価できるかどうかを検討するために、圧縮センシングの併用の有無について検討を行う予定である。(2)圧縮センシングによる頸動脈MR angiographyについては、嚥下運動や呼吸、動脈拍動などの生理的な動きによるアーチファクトについてデータ収集を行い、生理的な動きが主体の体動が多い場合は、圧縮センシング撮影を行うことにより、撮影時間短縮による画質改善が得られたため、成果をまとめていく予定である。(3)圧縮センシングによる頸動脈血管壁のプラーク・イメージングについては、論文投稿を行った成果をさらに世界に発信していく予定である。(4)圧縮センシングによる使用造影剤の減量は、造影剤の減量による患者の負担の軽減が得られることにさらに着目して、論文投稿を含め、圧縮センシング造影MR血管撮影の有用性につき、発信を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に進行しているが、次年度にも引き続きデータ収集、検討、論文投稿・学会発表などの作業が残っており、次年度に関しても助成金が必要となる。
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Research Products
(1 results)