2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of reduced lifespan of erythrocytes in chronic heart failure
Project/Area Number |
18K08055
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
辻野 健 兵庫医科大学, 薬学部, 教授 (90283887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 由朗 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10446049)
増山 理 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70273670) [Withdrawn]
伊藤 都裕 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (20767363)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心腎貧血症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性心不全患者において貧血の合併は予後不良の因子であるが、発症機序は多因子であり、十分解明されていない。Dahl食塩感受性ラット(DSラット)は食塩負荷により慢性心不全、慢性腎不全、貧血を発症する心腎貧血症候群の病態モデルである。我々はDSラットにおいて、貧血の主要な原因が赤血球の血中半減期の短縮であることを明らかにし、論文発表を行った(SciRep. 2020 Dec 16;10(1):22023.)。そこで本研究の目標は、赤血球半減期の短縮の原因を、赤血球側の要因と赤血球を破壊する側の要因の両面から検討することである。我々は以前に、赤血球側の要因として、eryptosis(赤血球のapoptosis様プログラム細胞死)の関与を明らかにした。さらにその誘引として、脂質過酸化が存在することを示した。脂質過酸化が病態悪化に関連していることに注目し、今年度はDSラットにおいて、抗酸化経路を活性化するNuclear factor(erythroid derived-2)-like 2(Nrf2)の活性化薬であるフマル酸ジメチル(DMF)の予後に対する効果を検証した。その結果、食塩負荷したDSラットにDMFを投与したところ、統計学的に有意に死亡率を減少させた。また、DMFには腎障害を軽減する効果があることも組織学的検討により明らかにした。さらに心臓での遺伝子発現も検討した。酸化ストレスに関与するNox4、炎症に関わるIL-1β、Ccl2、ICAM-1、線維化に関わるTGF-βの mRNA発現が食塩負荷では増加するがDMF投与により減少することを示すことができた。さらに心臓において組織学的にも線維化を改善した。またDMFの投与は食塩負荷したDSラットにおける貧血も改善した。以上のことから、DMFが心腎貧血症候群の治療薬になりうることが示唆された。
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Research Products
(1 results)