2019 Fiscal Year Research-status Report
喘息治療の応用を目指したPAR-2制御によるIL-33発現メカニズムの解明
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18K08194
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 久子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60359809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | IL-33 / YKL-40 / PAR-2 / 気道上皮細胞 / 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-33は障害を受けた気道上皮から放出され、喘息における2型/好酸球性気道炎症において重要な役割を果たすが、IL-33の生理・病態的な産生メカニズムは不明な点が多い。 真菌・Alternariaの刺激によりPAR-2を介してIL-33を放出するin vivoの報告はあるが、その発現機序は不明である。YKL-40は喘息患者の喀痰中濃度が重症度、気道リモデリング、非2型気道炎症と相関することが自他の検討で報告されている。 本研究では、IL-33発現抑制を、レクチン・YKL-40の作用機序の観点から解明することを目的とする。得られた結果より、IL-33の産生メカニズムの解明、喘息での2型・非2型炎症の決定に重要な知見をもたらし、創薬につながると考えられる。 今年度、我々はPAR-2を活性化するペプチドにより、IL-33発現が抑制されたことを見出した。これは、microRNAiにてPAR-2発現を抑制した気道上皮細胞のIL-33発現増加の結果を裏付けた。そこで、PAR-2を過剰発現する気道上皮細細胞の株化を樹立し、PAR-2活性化ペプチドによるIL-33の発現抑制を検討している。また、PAR-2とYK-40が共発現する気道上皮細胞の株化を樹立できたので、YKL-40によるIL-33発現抑制にPAR-2を介している経路が関与するかどうかを検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PAR-2のクローニングやその過剰発現細胞、microRNAiによるPAR-2発現の抑制する気道上皮細胞などの株化の樹立に時間を費やしたが、IL-33発現の抑制メカニズムの解析の検討を開始することができるので、今後の研究進捗に問題はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に株化が樹立できた、PAR-2過剰発現またmicroRNAiによる発現抑制細胞を用いて、IL-33発現誘導の経路にcAMPが関与しているかどうかを、PAR-2活性化ペプチド、β刺激薬などによって検討する。 さらに、YKL-40のレクチン作用がPAR-2の活性化やIL-33発現に影響があるか、PAR-2の修飾糖鎖やPAR-2と赤色蛍光タンパク質・cherryの融合タンパク質の細胞内の局在性の変化の解析によって検討する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に一括購入したReal-time PCR関連試薬や細胞培養用培地などを有効活用したため、今年度の費用は少なく済んだため。次年度は、株化した細胞の維持やPAR-2の修飾糖鎖や活性化ペプチドの合成にかかる費用に計上している。また、研究成果を発表するために、学会や論文投稿に係る費用として使用を予定している。
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