2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapy targeting to type I Interferon for SLE
Project/Area Number |
18K08386
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高松 漂太 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30584411)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / 全身性エリテマトーデス / Vorinostat / type I Interferon / 自己抗体産生細胞 / 治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
I型IFN(IFN-I)とB細胞分化異常による自己抗体産生細胞がSLEの病態に関与する。これまでに、SLEはIFN-IとBリンパ球を指標に層別化可能なことが報告されているが、急性期においてはIFN-Iと自己抗体産生細胞が共に増加していることから、両方を選択的に阻害する薬剤が求められている。 本研究は、既存薬ライブラリーから、1) IFN-I産生抑制薬剤のスクリーニング、2) B細胞増殖抑制効果の2次スクリーニングによる薬剤の絞り込み、3) 作用機序の解明、4) SLEモデルマウスによる治療効果の検討を目的としている。 既存薬からIFN-I産生阻害剤として、慢性リンパ球性白血病で認可されているVorinostatを見出した。VorinostatはヒトPBMCからのIFN-I産生抑制と、SLEの自己抗体産生への関与が示唆されているdouble negative B細胞 (DNB)のマウスのカウンターパートと考えられているAge-associated B(ABC)細胞への分化を抑制した。ヒトにおいても、TLR7/8 ligand刺激による形質細胞への分化を抑制した。 SLE疾患モデル動物を用いた検討では、NZBWF1マウスにVorinostatを投与すると、生存率の延長、体重減少の改善、蛋白尿の低減し、組織学的にも糸球体腎炎を抑制し、血清学的にも抗DNA抗体価や血清IFN-I活性の低減させた。 Vorinostatの作用メカニズムとして、TBKのリン酸化阻害によるIRF3の核移行を抑制し、IRF5やIRF7の発現抑制によりIFN-I産生を阻害することを見出した。また、IFN-Iの過剰産生モデルであるSAVIマウスにおいて、VorinostatはSAVIマウスの肺胞出血を抑制し、肺や腎臓におけるIFN-I関連遺伝子の発現も抑制することを明らかにした。
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