2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on deep brain surgery based on technology that slowly retracts the brain and development of a new brain retractor
Project/Area Number |
18K08932
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 俊哲 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80623149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 伸一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (00813693)
佐藤 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門長 (10260423)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 教授 (10447162)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50376597)
近野 敦 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90250688)
辻田 哲平 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (40554473)
陳 暁帥 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (40812277)
佐瀬 一弥 東北学院大学, 工学部, 准教授 (20805220)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳深部手術 / 内視鏡 / レトラクタ / 低侵襲手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は脳深部手術を安全に行う為の全く新しい手術機器および手術法の開発であり実質臓器である脳深部に病変が存在する際に病変に可能な限り低侵襲で到達し,かつ手術操作を自在に行うための広いワーキングスペースを得る手術方法の開発であった.研究当初に穿刺の為の細径構造より自在に内径を拡張する機器(径可変レトラクタ)の構造開発を行い,数種類の試作品の作成を行った. 引き続いて、最も実用性が高いと考えられた試作品を用いてブタを用いた実験においてその構造およびコンセプトを評価した.実験では筒状レトラクタと細径から筒状レトラクタと同径まで拡張可能な簡易的なレトラクタを作成し、ブタ脳に両レトラクタを穿刺しその脳に対する影響を確認した.この実験では筒状レトラクタと径可変式レトラクタを穿刺中にレトラクタ周囲脳圧を測定し、穿刺終了後には脳組織を摘出し病理組織学的評価を行ったが、現行の内視鏡手術程度の径で行う分には周囲脳に与える影響は頭蓋内圧においては同等であり、穿刺による周囲脳の組織学的影響においては径可変レトラクタでは筒状レトラクタに比べ周囲脳の出血性変化が軽減する可能性が指摘された.この結果を踏まえ、径可変レトラクタは現行筒状レトラクタに比べ非劣性であると判断され、さらに実臨床応用可能な径可変レトラクタの開発に取り組んだ. 最終年度は基礎実験,動物実験の結果を踏まえ,臨床応用可能なレトラクタ構造を設計し、金型を用いたプラスチック成型により臨床応用に向けたレトラクタの試作を行った.また、臨床応用の前に再度動物実験により安全性の評価が必要と考えられ、同レトラクタの小型版の試作を行なっているところである.今後、動物実験用レトラクタにて安全性の実証実験を行ったのちに、最終的にレトラクタを臨床応用可能なレベルにブラッシュアップし、倫理委員会に諮り承認を受けたのちに実臨床に応用することを目指している.
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