2019 Fiscal Year Research-status Report
Transgenic spermを用いた卵活性化因子PLCζの機能解析
Project/Area Number |
18K09144
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
窪田 裕樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10347403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
梅本 幸裕 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80381812)
岩月 正一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70595397)
野崎 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (50813432)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精巣内遺伝子導入 / PLC zeta |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス精巣のcDNAライブラリから既知のプライマーを用いてクローニングしたPLCζ遺伝子とGFPおよびYFP遺伝子との融合タンパク発現ベクターを作成した。In vivoで遺伝子導入を行うためには大量のベクター溶液が必要となるため、上記ベクターをTOP10細胞をcompetent cellとして十分な量となるまで増幅しておいた。 実験動物としてICR系雄マウス(4~6週齢)を用い、麻酔下に精巣網から逆行性に精細管内へ融合蛋白発現ベクター溶液を注入し、エレクトロポレーション法に基づいて精巣に電気刺激を加えた。電気刺激の条件設定により遺伝子の導入効率が大きく変わることが分かっていたため、過去の実験データに基づいて複数の条件で電気刺激を行った。 電気刺激を加えてから2~3週後にマウスを屠殺し、精巣および精巣上体を摘出して、直ちに液体窒素で凍結した。凍結切片からプレパラートを作成し、蛍光顕微鏡下に融合蛋白の発現・局在を観察すると、主にSertoli細胞で蛍光蛋白の発色が確認できた。一部の精細胞(主に精母細胞)でも同様の発色が見られ、精細胞への遺伝子導入も確認できた。 精巣の一部はエレクトロポレーションおよびベクター溶液の注入による精巣のダメージを検討するために、グルタールアルデヒドで固定して切片を作成した。HE染色により組織学的に造精機能の評価を行い、TUNEL染色によりアポトーシスを検出した。電気刺激の条件やベクター溶液の濃度に依存する形で、精巣組織の障害が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベクターを大量に増幅する過程で非常に時間がかかったが、得られたベクター溶液をin vivoでの検討のため、マウス精巣内に遺伝子導入を開始した。 これまでの実験では、精細胞への導入効率が非常に低く、発現パターンにもバラツキが大きいことが分かっている。精細胞に導入できた場合でもtransgenic spermを得るための条件設定を見直して検討する時間が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
若干の遅れはあるが、概ね想定の範囲内で進行している。 in vivoでの遺伝子導入において、遺伝子の発現にはバラツキが大きく、効率よくtransgenic spermを作成するための条件設定の重要性が明らかである。 今後は、得られたtransgenic spermを用いてin vitro fertilizationを行い、Ca oscillationの発現ならびに受精・胚発生のプロセスにおけるPLCζの動態を観察する予定である。
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Causes of Carryover |
年度末までの実験計画がおおむね順調に経過しており、次のステップの研究にかかる試薬の購入が年度を超えたので、次年度使用額が生じた。引き続き、実験計画に沿ってtransgenic spermを用いた卵活性化因子PLCζの機能解析を進めていく。
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