2019 Fiscal Year Research-status Report
造精機能障害に対するエピゲノム創薬を目指したヒストン修飾酵素Kdm5aの機能解析
Project/Area Number |
18K09202
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10621063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00551277)
守時 良演 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50595395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
Kdm5a強制発現ベクターを作成し、マウス精原細胞培養株であるGC-1細胞にKdm5aを遺伝子導入した。そして、Kdm5aに制御される遺伝子の網羅的な探索のため、Kdm5aを遺伝子導入したGC-1細胞を用いたマイクロアレイ解析を行った。またKdm5aと関連するパスウェイについて、マイクロアレイデータからIPAソフトウェアを用いて解析した。さらにヒト停留精巣と下降精巣の精巣組織を用いて、定量RT-PCRによるKDM5Aおよび精細胞分化の関連遺伝子(ESR1, ESR2, GDNF, GFRA1, KIT, KLF4, MYC, NANOG, PGR, POU5F1, RET, THY1)の発現について検討し、KDM5Aの発現局在と、ヒストンH3K4のメチル化状態について二重免疫染色で検討した。 マイクロアレイ解析では、Kdm5a強発現により、Tet1 (Fold change; FC =19.4)、Btc (FC=19.4)、Scml2 (FC=16.4)が発現亢進し、Wnt1 (FC=108.2)、Sox6 (FC=26.7)、Sox8 (FC=26.4)遺伝子の発現低下を認めた。パスウェイ解析では、protein kinase A signalingが亢進し、Ga12/13 signaling、Signaling by Rho Family GTPase、Calcium Signaling、Rac Signaling、PKA Singaling、ILK Singnalingが抑制されていた。ヒト停留精巣では、KDM5Aの発現(1.54倍)が亢進し、また精細胞分化の関連遺伝子であるESR2の発現(1.50倍)も亢進していた(p<0.05)。蛍光免疫染色では、ヒト停留精巣組織において、KDM5Aが発現亢進している細胞ではH3K4me2(ジメチル)およびH3K4me3(トリメチル)の発現が低下し、H3K4me1(モノメチル)の発現が亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroにおけるKdm5aの機能解析では、精子幹細胞の初代培養を確立することが困難であるため、精原細胞の培養株であるGC-1細胞を使用している。また次世代シーケンサーの手技の習得に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーの手技の習得を行った上で、In vivoにおけるKdm5aの機能解析を予定している。
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Causes of Carryover |
In vivoにおけるKdm5aの機能解析のために、ラット正常精巣をコントロールとして、ラット停留精巣における、a)Tet1、b)Scml2 の局在を免疫染色で、発現量を定量RT-PCRで経時的に評価する計画であった。機器の不具合で一時期解析が中断する時期があり、計画が遅れ、そのために次年度使用額が発生した。In vivoにおけるKdm5aの機能解析を実施し、次にヒト停留精巣組織におけるエピゲノム変化の評価を行っていきたい。
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Research Products
(8 results)